桂文我/はなしの世界(3/30)
ワッハ上方へ。
- 桂まん我/餅屋問答(別名「こんにゃく問答」)
- 桂 文我/癪の合薬(別名「やかんなめ」)
- 桂 平治/お血脈
- 桂 文我/本能寺
- 桂 文我/菜刀息子
師匠から習ったとおり(何の工夫もなく)再生するだけの、保守的な噺家/クローン人間では詰まらない。文我さんの落語会の面白さは今まで未体験の、《けったいな噺》が聴けること。レア・アイテム、珍味の愉しみ。
「癪の合薬」(しゃくのあいぐすり)のマクラで文我さんは、顔のパーツが登場する小噺をいくつか披露され、それがすこぶる面白かった。
「本能寺」はかつて桂米朝さんがされていたが、最近は余り演り手がいないようである。僕も初めて聴いた。文我さんの解説によると、六代目桂文治の構成も採り入れて演じられたとか。典型的な芝居噺であり、途中ハメモノ(お囃子)がふんだんに入り、賑やか。いつの日にか、吉朝一門による「本能寺」も聴いてみたいな。
菜刀(ながたん)とは、いわゆる菜切り庖丁のこと。「菜刀息子」は別名「弱法師」(よろぼし)とも呼ばれる。元々は能が原作のようである。四代目桂米團治(先代)が残した定本があるとか。
故・桂吉朝(吉弥、よね吉らの師匠)は2005年10月27日に国立文楽劇場「米朝・吉朝の会」で「弱法師」を演じ、これが最後の高座となったことでも知られている。
噺の半ばで表を通りすがる物売りたちの声が聴こえてきて、その中身が変化することにより春夏秋冬の移り変わりを表現する演出に感銘を受けた。これぞ落語の醍醐味、魅力の真髄である。もっと多くの噺家が高座に掛けてもいいのに、と口惜しい。
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