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2010年2月23日 (火)

繁昌亭夜席/「猫の日」特集

天満天神繁昌亭へ。

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2月22日は”ニャーニャーニャー”と「猫の日」だそうで、それに因んだ企画。

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1階席は満席で、2階席まで大入り。

  • 笑福亭右喬/犬の目
  • 月亭   遊方/猫と金魚
  • 笑福亭仁勇/猫の皿
  • 桂     蝶六/猫の忠信
  • 右喬、遊方、仁勇、蝶六/猫トーク
  • 笑福亭鶴志/猫の災難

右喬さんの実家は、猫を38匹飼っているそう。古典落語「犬の目」を改変し、「猫の目」バージョンで。サゲも別物(「招き猫で千客万来」)。活舌が良く、大変聴きやすい。途中一箇所、「犬の目」と言い間違える場面もあったが、これはご愛嬌。「すまん、昨日までは犬やったんや」

遊方さんは黒猫を一匹飼っていて、名前は「ルナ團治」。luna=月であり、月亭で”團治”を襲名することは将来的にもなさそうなので、せめて猫に付けてあげたいと考えられたのだそう。

元々猫が登場するネタを持っていなかったので、この日のためにわざわざ江戸落語「猫と金魚」を稽古したとか。七転八倒、愉快な高座だった。

また遊方さんは、上方落語に登場する猫の扱いが如何に酷いかを力説された。

例えば嘘つきを主人公にした古典落語「鉄砲勇助」は、こんな場面が発端となる。

「こんにちわぁ。えらいことです、えらいことです」
「どないしたんや?」
「うちの隣りのオバハンが猫の仔を産んでね」
「人間が猫の仔を産むわけないやろ」
「そんなこと言ぅてしまへんがな、『うちの隣りのオバハン、猫の仔踏んだ』ちゅうてまんねん」
「なんや、踏んだんかいな……」

で、話題が別のところに移っていく。その放置プレーが遊方さんには我慢ならず、「大の大人が猫の仔踏んだら、だだではすまんやろ!死んだんちゃうか?」と気になって、その後の噺の展開に集中できないのだという。

また古典落語「阿弥陀池」では、

「お前が新聞読まんさかい、人に馬鹿にされても分からんのや。大阪中どころか、この町内のことでも知らんやろ」
「そんなことおまへんで。町内のことなら、わたしゃ『どこの猫が何匹仔を産んだ』まで知ってまっせ」

この件を聴くと、遊方さんは「猫にはプライバシーすらないのんか!?」と嘆かわしい気持ちになるそうである。

こういった(常人を超えた)発想の飛躍こそが、遊方さんの魅力であると僕は常々想っている。彼は人情噺が「大っ嫌い!」だそうで、古典落語「つる」の方が哀しいと以前語っていた。噺に登場する、人の真似さえ出来ないアホな主人公が、その後どのような人生を歩んだのか考えると、泣けてくるのだそうだ。本当に、愛すべき人である。

鶴志さんによると、酒癖が悪かった噺家(すべて故人)の代表選手は林家小染(先代)、桂文我(先代)、桂春蝶(先代)、そして笑福亭松鶴だそう。酔っ払いの生態を巧みに演じるマクラから、「猫の災難」本編へ。声が客席後ろまでよく通り、豪快な高座。躍動感があり、すこぶる面白かった。

 関連記事:

なお、飼っている猫の写真を持参したら、帰りに100円の入った大入袋を貰えるというキャッシュバック・サービスもあった。

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