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桂よね吉、文三 IN ちょっと”はんなり”染二です!

天満天神繁昌亭へ。

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第二回繁昌亭大賞を受賞した林家染二さんの会。

  • 笑福亭生寿/犬の目
  • 桂   よね吉/天災
  • 林家  染二/宿替え
  • 桂     文三/芋俵(いもだわら)
  • 林家  染二/しじみ売り(初演)

よね吉さんら吉朝一門は、伝統的に桂米朝・宅で3年間、内弟子修行をするのが慣わしになっていた。彼が入門したのはちょうど米朝さんが人間国宝に認定された頃で、御年70歳。「まだまだ血気盛んでした」とよね吉さん。「私は《人間国宝の喧嘩》を目の当たりにしたんです」そして米朝さんが十三で買ってきた焼餅をめぐる、他愛もない夫婦喧嘩の傑作エピソードへ。これがちゃんと、いらち(短気)な男が登場する「天災」に繋がっているのだからさすがである。僕がよね吉さんの「天災」を聴くのはこれが2回目だが、前とは完全にマクラを変えてきたから驚いた。

よね吉さんの指先の動きの美しさについては既に語ったが、この噺では右手の指数本で見台(けんだい)を「トトトン」と叩く動作を繰り返すことにより、登場人物のイライラ感を見事に演出している。そしてそれが心地よいリズムにもなっている。華麗で粋な高座であった。

続いて登場した染二さん、「よね吉さんと楽屋で話していたのですが、彼はバレンタインでチョコレートを50個以上も貰ったそうです」と。高校生の息子さんは12個貰ったとか。これも立派な数字である。

宿替え」のクライマックスは通常、主人公が打ち込んだ釘が隣家の仏壇の、阿弥陀さんの喉から先が出ているのだが、染二版は股ぐらから飛び出すというユニークな趣向で、愉快だった。染二さんの軽妙さがよかった。

文三さんは噺に登場する”明るく機嫌良いアホ”の描写が絶品。染二さんが「将来の上方四天王になる人」と評していたのは決して誇張ではない。

蜆売り」は元々、江戸の義賊・鼠小僧次郎吉が主人公の噺。歌舞伎にもなっており、恐らく講談ネタから落語に取り込まれたものと思われる。東京では故・古今亭志ん生らが得意としたネタで、最近では立川志の輔らが演じている。人情噺だけに上方では演じ手が少なく、現在では桂福團治、桂文我くらいだろうか。本来サゲはないが、染二版は噺半ばで突如サゲて終わり、意表を突かれた。そもそも僕は人情噺が好きじゃないので、感想はまあまあ。

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コメント

はじめまして。
ちょこちょこ拝見させてもらっています。
『宿替え』で「阿弥陀ハンの股グラから…」という演出は、雀三郎師匠が昔よくやっておられたものです。現在は普通ヴァージョンに戻してはりますけど。
それだけでコメントしました。失礼しました。

投稿: 若鷹軍団 | 2010年2月22日 (月) 09時16分

若鷹軍団さん、情報ありがとうございます!

もしかしたら、染二さんは「宿替え」の稽古を、雀三郎さんにつけて貰ったのかも知れませんね。

そういえば確か、二人は龍谷大学落研の先輩・後輩の関係だったと記憶しています。

投稿: 雅哉 | 2010年2月22日 (月) 13時02分

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