魔法のヴァイオリン III/むかしむかし、イタリアで
千里阪急ホテル・クリスタルチャペルでイタリアの古楽を聴く。
音楽家の面々は、
- 伊佐治道生(バロック・ヴァイオリン)
- 佐野健二(ヴィウエラ、アーチリュート、19世紀ギター)
- 大西万喜(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
伊佐治さんは桐朋学園大学卒業後、デンハーグ王立音楽院(オランダ)などで学び、現在もイタリアで研鑽を積まれている。ナポリが生んだ当代随一の人気テナー歌手マルコ・ビーズリーが率いる古楽アンサンブル「アッコルドーネ」にも参加。
佐野さんは関西を中心に活動するリュート奏者で、アーリーミュージックカンパニーを主催されている。
今回のプログラムは、
- カステッロ/ソナタ 第6番
- オルティス/レセルカータ集より
- マッティス/パッサッジョ-2弦のフーガ-グラウンド
- モリーノ/ヴァイオリン伴奏付きギターソナタ
- モリーノ/トリオ 第1番
- ヴェネツィア民謡より2曲(アンコール)
ヴェネツィアの作曲家・カステッロで使用されたアーチリュートは14コース、27本もの弦が張られた楽器。
続くオルティスはスペイン・ルネサンス期の作曲家で、ナポリ王国の宮廷楽長を務めた。6コースの複弦を持つヴィウエラという撥弦(弦をはじく)楽器が興味深かった。
マッティスはナポリの作曲家。
モリーノのトリオでは、音域の高いヴィオラ・ダ・ガンバ=トレプルが使用され、子供のように小さな楽器で可愛らしかった。
3人とも名手であり、聴き応え十分。楽器もとっかえひっかえで、すこぶる面白かった。アンサンブルの悦楽を堪能。
特に伊佐治さんの優雅で、のびやかな音色に魅了された。バロック・ヴァイオリンの名手といえば、バッハ・コレギウム・ジャパンやオーケストラ・リベラ・クラシカのコンサート・ミストレスを務める若松夏美さん、「ラ・プティット・バンド」のコンサートマスターを務めた寺神戸亮さんらの名前が真っ先に思い浮かぶが、伊佐治さんも彼らに遜色ない実力を持つ、素晴らしいヴァイオリニストであった。
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