炎のコバケン、チャイコフスキーを振る/大阪シンフォニカー 定期
音楽監督・児玉宏さんとのブルックナーで文化庁芸術祭「大賞」を受賞し、破竹の勢いの大阪シンフォニカー交響楽団定期演奏会へ。
今回の指揮者は”炎のコバケン”こと、小林研一郎さん。オール・チャイコフスキー・プログラムで、
- 弦楽のためのセレナード
- ロココ風の主題による変奏曲
- 交響曲 第3番「ポーランド」
「ロココ風」のチェロ独奏は昨年、第8回 齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞した遠藤真理さん。のびやかで感興に富む、素晴らしい演奏だった。この曲は2007年に古川展生(チェロ)&佐渡裕/兵庫芸術文化センター管弦楽団で聴いているが、凡庸で退屈極まりなかった。あれとは雲泥の差。役者が違うと想った。
「弦楽セレナード」とシンフォニーをコバケンは暗譜で振った。「弦楽セレナーデ」序奏は僕が今まで聴いた中で最も遅いテンポ。その粘り腰が実に愉快。フレーズとフレーズの”間”を大切にした、豊かな表情と息遣いを感じさせる演奏だった。大阪シンフォニカーの弦楽セクションも滑らかで潤いのある音色を奏で、聴衆を魅了した。
交響曲 第3番は中間楽章の表現がデリケート。一方、第1楽章と終楽章は力強い推進力で徐々に燃え上がり、最後は完全燃焼を遂げた。ブラボーが飛び交う中、満足顔のコバケンと楽員たちの笑顔が眩しかった。
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