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柳家三三×桂吉弥 ふたり会/アッ!と驚く初高座あり

天満天神繁昌亭へ。

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恒例となった桂 吉弥さん(38歳、93年入門)と柳家三三さん(35歳、93年入門)のふたり会。

プログラムを見てびっくり。開口一番に桂 弥生と書いてあるではないか!

さんが太郎という一番弟子を取ったことは知っていた。初舞台が2009年11月8日、豊中市伝統芸能館の「岡町落語ランド」。この日は吉弥さんの師匠・吉朝の命日でもあった。

ということはさんの二番弟子?そして名前からすると女性??が上(いやがうえ)にも期待は高まる。

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  • 桂  弥生/東の旅 発端
  • 桂  吉弥/いらち俥
  • 柳家三三/二番煎じ
  • 柳家三三/やかん
  • 桂  吉弥/三十石

弥生さんはこれが初高座だそう。色白で丸顔の可愛らしい女の子だった。噺の3分の2くらいまではトントンと調子よく運び、聴き心地がよい。しかし、「腹が減ったんなら『ラハが北山、底でも入れよか』てなこと言ぅてみぃ」の件で突然詰まる。

舞台袖から吉弥さんが助け船を出す「らはがきたやま」という囁き声。こそこそっと2度繰り返すが、続きが中々出て来ない。3度目に大きな声ではっきりと「らはがきたやま!」

客席から暖かい笑い声が零れる。これをきっかけに思い出した弥生さん。後はすらすらと最後まで完走した。盛大な拍手に包まれて彼女は高座を下りた。

僕もそうだったけれど会場に居合わせた人々は皆、吉弥さんが出演したNHK朝ドラ「ちりとてちん」のヒロイン・徒然亭若狭(喜代美)の旅立ちを見守り、応援するような、祈るような気持ちでいたに違いない。ちょうど僕は「ちりとてちん」DVD-BOXを観直している所で、喜代美が徒然亭草若に入門志願しているあたりだったので、物語と現実がシンクロし、熱い気持ちが込み上げて来るのを抑えることが出来なかった。この場に立ち会うことが出来て本当に嬉しかった。

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吉弥さんは弟子に名前をつける苦労をマクラで語られた。一番弟子の第一候補は「弥七」。でも調べてみると名前の画数が最悪だったそうで「弥太郎」に。「弥生」はあっさり決まり画数も良かったが、「ふたり会」直前になってスタッフのひとりから「女の子だから、平仮名の『やよい』の方が可愛いのでは?」とアドバイスされたそう。「今更言うなよ!」に会場は大爆笑。

今まで聴いた中で桂かい枝さんや笑福亭たまさんの「いらち俥」が僕は気に入っている。吉弥版「いらち俥」は今回初体験だったが、威勢がよく軽妙。色々と独自の味付けがあり、腹膜が破れるくらい笑った。いやはや、さすがである。

続いて登場した三三さん、「お弟子さん、初々しかったですねぇ。それに引き換え師匠の高座、あれは一体何ですか?手だれの娼婦みたいにお客様を手玉にとって」と互いに切磋琢磨する好敵手に対し、これ以上ない賛辞を送った。

三三さんは523人の大アンケートに基づく「今おもしろい落語家ベスト50」(文春MOOK)で堂々第10位にランクインした(師匠の小三治さんは第3位)。ちなみに吉弥さんに三三さんとふたり会をするように勧めたのは立川談春さん(同・第4位)である。

三三さんは重力に反し雲の上を歩くような登場の仕方が特徴的で、若いのにその高座は老練ささえ感じさせる。「二番煎じ」も「やかん」も文句なしに上手かった。名人芸を堪能。

一席目の出囃子は「日本全国酒飲み音頭」、二席目は童謡「たきび」。「本当はこんなこと解説しちゃうと『粋じゃないね』って言われるんですけれど、いいんです!」と三三さん。客席に大ウケ。

吉弥さんの「三十石」は2008年7月に聴いている。その時はまだネタおろししたばかりで、正直「教わった通りに喋っているだけ」という印象しかなかった。しかしあれから一年半。ネタが十分練り上げられ、熟成されたようで前回の数倍は面白くなっていた。繁昌亭大賞を受賞しているだけに、やはり実力がある人だなぁと改めて感嘆した。

帰宅して「ちりとてちん」DVD-BOXの続きを鑑賞。吉弥さん演じる徒然亭草原が若狭(喜代美)に、掃除・洗濯など内弟子修行の心得を指南していた。

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