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ピエール・アンタイ/チェンバロ・リサイタル

フランスを代表するチェンバリスト、ピエール・アンタイの演奏を兵庫県立芸術文化センターで聴いた。「バッハへの道」と題され、バッハ(ドイツ)へと続く、様々な国のチェンバロ曲(イギリス、イタリア、フランス)がパノラマのように展開される目の覚めるようなプログラムだった。

H01

ステージに登場した時の彼の風貌はお洒落で洗練された、そしてちょっとすかした印象を受けた。1曲目を弾き終えた時点で拍手しようとする聴衆をパッと手で制し、続けて2曲目に入る場面もあり、中々格好よかった。では嫌な奴だったかといえばそんなことはなく、当初予定されていたプログラムに3曲追加され(赤字)、さらにアンコールを3曲も演奏してくれたのだから、見かけによらず(?)サービス精神旺盛な人だった。

  • フレスコバルディ/トッカータ 第10番
  • 作者不詳(イギリス)/アルマン
  • バード/野生の森、ファンタジア、私のネヴィル卿夫人のグランド
  • フローベルガー/トッカータ
  • L.クープラン/プレリュード(フローベルガー氏を模倣して)、アルマンド、ピエモンテーズ、クーラント、サラバンド
  • F.クープラン/ラ・フォルクレ、プレリュード 第8番、小さな皮肉屋
  • スカルラッティ/ソナタ ニ長調K511、イ長調K208、イ短調K175
  • ヘンデル/ハープシコード組曲 第2番
  • J.S.バッハ/コラール”ただ神の摂理にまかす者”、イギリス組曲 第2番

アンコールは、

  • フローベルガー/ブランロシェ氏へ捧げるトンボー(墓)
  • バッハ/半音階的幻想曲
  • ラモー/音楽の対話

アンタイは1964年パリ生まれ。巨匠グスタフ・レオンハルト(オランダ)に師事した。一時期「ラ・プテット・バンド」に所属していたことがあり、この時メンバーの一人だったバロック・チェリスト鈴木秀美さんのエッセイ「『古楽器』よさらば!」にも登場する。大御所レオンハルトを筆頭にクリストフ・ルセ中野振一郎らと並び、間違いなく世界で十指に入るチェンバロの名手である。近年は彼自身の古楽アンサンブル「ル・コンセール・フランセ」を結成し、指揮者としても活躍している。このアンサンブルはラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2009にも参加しているから、ご存知の方も多いだろう。

アンタイ氏のチェンバロは力強く、毅然とした気品があった。スピード感、切れが身上の中野先生とはまた性格が異なったスタイルだなと想った。今回使用された楽器がジャーマン2段鍵盤チェンバロ(M.Mietkeモデル)だったことが関係しているのかも知れないが、むしろ中野先生の方がフランス的で、アンタイ氏はよりドイツ寄りの印象を受けた。ちなみに中野先生もアンタイ氏と同じ'64年生まれである。中々の好敵手と呼べるかも知れない。

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