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2009年12月 7日 (月)

マリインスキー・バレエ/白鳥の湖

兵庫県立芸術文化センターでマリインスキー・バレエ(ロシア)の「白鳥の湖」を鑑賞。観客の9割以上が女性。

M1

オデット/オディール:ウリヤーナ・ロパートキナ
ジークフリート:ダニーラ・コルスンツェフ
道化 : アレクセイ・ネドヴィガ
悪魔:コンスタンチン・スヴェレフ

音楽:チャイコフスキー
振付:プティパ/イワノフ(改訂:セルゲーエフ)
装置:シモン・ヴィルサラーゼ
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
指揮 : パーヴェル・ブベリニコフ
管弦楽 : ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団

中学生の頃、わが古里・岡山(倉敷市民会館)でボリショイ・バレエ団の「白鳥の湖」を観た。ガキにとってクラシック・バレエは退屈なだけだった。群舞が揃っていなくて、「”その他大勢”の踊りは大したことないな」と生意気にも想ったことを憶えている。

高校生になり、映画館でクロード・ルルーシュ監督のフランス映画「愛と悲しみのボレロ」を観た。そしてジョルジュ・ドン20世紀バレエ団が踊る「ボレロ」(モーリス・ベジャール振付)に圧倒された。

大学の合格発表があった日、岡山市民会館でそのジョルジュ・ドンと東京バレエ団による「ボレロ」を間近で観る事が出来た。「クラシック・バレエはもう古い。これからはモダン・バレエの時代だ!」とその時に想った。

それから月日は流れ、'92年ジョルジュ・ドンはAIDSに冒され45歳の若さで亡くなった。2007年にはベジャールもこの世を去った。こうして、ひとつの時代が終わった。

だから「白鳥の湖」を生の舞台を観るのは中学生の時以来である。そして今回初めてクラシック・バレエの真価に開眼した。完璧な調和と究極の美がそこにはあった。

白鳥(「白鳥の湖」およびサン=サーンス「瀕死の白鳥」)を躍らせたらロパートキナは現在、世界一と言われている。大きく翼を羽ばたかせるときのアームス(腕のポジション)の美しさ、そのしなやかな動きに魅了された。評判通り絶品であり、心が慄いた。

白鳥の群舞も、挙げられた腕、指先まで角度、線がピタリと揃い驚嘆すべきパフォーマンスであった。ロシア人の足の長さ、八頭身のスタイルはまるでお人形さんみたいで、日本人は(いくら跳躍が高かろうと)、見た目で彼らに到底太刀打ちできないなと観念した。

また、洗練された華麗な衣装も目を惹いた。

ソヴィエト共産政権崩壊後、優れたアーチストの国外流出が相次いだロシアだが、マリインスキーは高い実力を今日までしっかりと維持して来た。これは凄いことである。やはり芸術監督であるワレリー・ゲルギエフの実力とカリスマ性あればこそ成し得た偉業なのだろう。

僕は「白鳥の湖」を観ながら、ブロードウェイ・ミュージカル「コーラスライン」でシーラが孤独で惨めだった少女時代を回想しながら歌う"At the Ballet"の歌詞を想い出した。

But everything was beautiful at the ballet.
Graceful men lift lovely girls in white.
Yes, everything was beautiful at ballet,
Hey! I was happy at the ballet.

でも、バレエの中では全てのものが美しかった。
優美な男性たちが純白の衣装を纏った愛らしい女の子たちをリフトする。
そう、バレエの中では全てが美しいかった!
私はバレエのレッスンがある時だけ幸せだった。
(日本語訳:雅哉)

A席19,500円のチケット代が、全く高いと想わなかった。「泣きたいくらいに美しい」……そんな舞台であった。

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コメント

こんばんは。先ほどTBさせていただきました。
この公演は私にとっても「初・マリインスキー」だったと同時に、初めて「主役、他のソリスト、群舞、クオリティなどほとんどの点で満足できる白鳥」でした。特に、24羽の白鳥が舞台に並んだ姿は圧巻だったと思います。
このプロダクションはDVDにもなっていますが、マリインスキー歌劇場オケをゲルギエフが振っているという豪華版。やはりチャイコフスキーのバレエはロシア人が最高だなぁって思ってしまいました。

投稿: Odette | 2009年12月 9日 (水) 21時05分

Odetteさん、コメントありがとうございます。

以前、NHKで放送された2007年のマリインスキー&ボリショイ合同公演を観て感じたことなのですが、現時点ではマリインスキーの方がボリショイより実力が上なのではないでしょうか?

マリインスキーの「白鳥の湖」もNHK-BS放送時に観ました。でもやっぱり舞台は生が一番ですね。そのことを今回改めて痛感しました。

ゲルギエフが振る「白鳥の湖」は、殆どダンサーのことを考えていないんじゃないかというくらい自由奔放で、これはこれで観ていてエキサイティングですよね。

投稿: 雅哉 | 2009年12月10日 (木) 01時22分

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» マリインスキー・バレエ『白鳥の湖』09/12/6(西宮)・・・12/9追記・完 [バレエ&音楽日記]
もう一日が過ぎてしまったのですね…。 まだまだ忙しくてなかなかまとめきれないのですが、これだけはどうしても 皆さんと共有しておきたいのです。 ロパートキナのオデットは本物だということを。そして、コルスンツェフの愛が あってこその感動なのだということを! ロパートキナ、コルスンツェフのペアでの『白鳥の湖』はDVDにもなってますし、 NHKの地上波でも放映されたのでこれまでにも見る機会はありました。それで、 「見た気」になっていました。ですが、実際に舞台で見るものとは別物なんだと いう現実をつきつけら... [続きを読む]

受信: 2009年12月 9日 (水) 19時18分

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