草片のクリスマス/西洋古楽器による小演奏会
大阪市南森町のギャラリー草片(くさびら)へ。
クリスマスの演奏会を聴くため。「待降節から降誕祭、降誕祭後までを各地の音楽で辿るひととき」と副題が付いている。客席には25人くらいが集った。
以前ここで聴いたコンサートの感想は下記。
演奏は安宅留美子(歌/リコーダー/ルネサンスギター)、今泉仁志(歌/バウロン/フィドル)、森本英希(フルート/リコーダー)、赤坂放笛(オーボエ/オーボエダカッチャ/リコーダー)、吉竹百合子(チェンバロ)という面々。森本さんはテレマン室内オーケストラのメンバーである。
上の写真、手前一番左の楽器がオーボエ・ダ・カッチャ(”狩のオーボエ”=イングリッシュ・ホルンの原型)、次がバロック・オーボエ、そしてリコーダーの順。その奥の椅子の上にはフラウト・トラヴェルソ=バロック・フルートが置かれている。
曲目は、
- J.S.バッハ/カンタータ 第152番「信仰の道に歩み出よ」
- ボリビアのキャロル「そよ風に乗って」(南米ボリビア)
- モンセラートの朱い本より「処女母マリア」「山に輝く星」(スペイン)
- カタロニア民謡「聖母の御子」「鳥の歌」(スペイン)
- フランスの降誕祭(バルバドル「小さな天使」、ドラランド「トリオによるノエル」)
- ブリテン諸島の伝承キャロル(アイルランド、イングランド民謡)
などが演奏された。
聴いたことがあるのは「鳥の歌」とイングランド民謡「三艘の船が行く」くらい。「鳥の歌」はカタロニア出身のチェリスト、パブロ・カザルスの演奏で有名だが、歌は初めて。またボリビアのキャロルは今泉さんが現地で入手し持ち帰った楽譜だそうで、日本では滅多に聴けない貴重な内容だった。
バッハのカンタータではリコーダーを担当した安宅さんの音が、他の奏者より明らかにピッチ(音程)が低くて気持ち悪かった。しかしそのほかの曲は問題なし。珍しい古楽がたくさん聴けて愉しかった。またバウロンというアイルランドの太鼓は初めて見た(→写真はこちら)。とても面白い音がした。
古(いにしえ)の響きは異次元空間に彷徨いこんだようで、映画「ある日どこかで」の主人公リチャード(クリストファー・リーヴ)が体験したこと(タイムスリップ)は正にこんな感じだったのだろうなと、ふと想った。
余談だが、「ある日どこかで」は来年開催される「午前10時の映画祭」の”何度見てもすごい50本”に選ばれた(詳細は→こちら)。全国25の映画館でこの伝説の名作に逢える(ニュープリント)!なんと嬉しい事だろうか。
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