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金賞よりも大切なこと/柏市立柏高等学校吹奏楽部

ここに「金賞よりも大切なこと」と題された本がある。著者は山崎正彦さん。武蔵野音楽大学音楽教育科講師をされているそうだ。初版は2009年10月1日。出来立てのほやほやである。

これは吹奏楽の世界では知らぬもののない全日本吹奏楽コンクールの常連校、柏市立柏高等学校吹奏楽部=市柏〈いちかし〉と、そこを指導する石田修一先生の日常を描くドキュメントである。彼らのことは日本テレビ「笑ってコラえて!吹奏楽の旅」でも取り上げられたから、それでご存知の方も多いだろう。

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いわば教育論として書かれた本である。著者はプロのライターではないし、文章はお世辞にも上手いと言えない。表現がくどかったり、石田先生やその生徒たちを褒める言葉が大仰で苦笑せざるを得ない場面も多々ある。

しかしそんな書き手の不備を超え、読者に伝わってくる熱いものがあることは確かである。やはり描かれている対象が素晴らしく、輝いているからであろう。

1978年4月、開校したばかりの市立柏高等学校に新任の石田先生が赴任されてきたところからこの物語は始まる。楽器はアップライトピアノしかなく、石田先生が私物のトランペット、フルート、ギターを持ち込み吹奏楽部を立ち上げたそうだ。200人を超える部員がいる現在から考えると、隔世の感がある。

この本を読めば〈いちかし〉の生徒さんたちがどのような一年を過ごしているのか(そのスケジュール)、石田先生の指導法・教育指針はどういうものかということが手に取るようによく分かる。写真も豊富で彼らの日常が親近感を持って伝わってくる(特に等間隔で整然と並べられた十数ヶの楽器ケースには驚かされた)。一級の資料と言えるだろう。

本の中で〈赤組〉(コンクール・チーム)、〈青組〉(座奏別働チーム)、〈白組〉(マーチング・チーム)と分かれて活動していることが紹介されている。恐らくこれは淀工を指導する丸谷明夫先生の〈星組〉〈花組〉〈雪組〉に組織分けする手法を参考にしたものだろう。

学校の先生や吹奏楽指導者だけではなく、吹奏楽を愛する全ての人に読んで頂きたい素敵な本である。

なお余談だが、吹奏楽名門校の日常を映像で知りたいのなら、DVD「淀工吹奏楽日記~丸ちゃんと愉快な仲間たち~」が超オススメである。

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ものすごいボリュームで見応えたっぷり。きっと夢中になって一気に視聴する羽目になるだろう。

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