マチュー・デュフォー/フルート・リサイタル
ザ・フェニックスホール(大阪)へ。

マチュー・デュフォーは1972年パリ生まれ。1997年神戸国際フルート・コンクールで2位入賞後、ダニエル・バレンボイムに招かれ99年にシカゴ交響楽団主席フルート奏者となった。さらにグスターヴォ・ドゥダメルが音楽監督に就任したばかりのロサンゼルス・フィルの主席を2009年10月から兼任することとなり、その異例の抜擢が大いに話題となっている。
- 第7回神戸国際フルートコンクール/入賞者による披露演奏会(今年の様子)

客席の8割以上が女性で、フルートの楽器ケースを持った人もちらほら見かけた。
ピアノ伴奏は志茂征彦。近代フランス音楽を中心にマルタン(スイス)、マルティヌー(チェコ)のフルート作品も取り上げられた。
- ヴィドール/フルート組曲
- サンカン/フルート・ソナチネ
- メシアン/黒つぐみ
- マルタン/フルートとピアノのためのバラード
- マルティヌー/フルート・ソナタ
- プーランク/フルート・ソナタ
- ドビュッシー/シリンクス(パンの笛)アンコール、無伴奏
メシアンが初めて鳥の囀りを音楽に採り入れた「黒つぐみ」では、デュフォーがピアノの大屋根(反響板)にフルートを突っ込み、吹いた音でピアノ弦を共鳴させる手法を取り入れたりして、とても興味深かった。
プログラム後半、12音技法やジャズのイディオムを採り入れながらも調性音楽に踏みとどまり、たゆたう色彩感で旋律の可能性を広げたマルタン、独特のリズム感で躍動するマルティヌーなどが特に良かった。そして極めつけはフルートのために書かれた20世紀の最高傑作、プーランク!あまりの美しさに打ちのめされた。
余談だが、村上春樹さんの著書によるとプーランクはゲイだったらしい。彼は次のようにも言っていたそうだ。
「私の音楽は、私がホモ・セクシュアルであることを抜きにしては成立しない」
飛翔するデュフォーのフルートは高音部の澄み切った響き、低音の豊かさ、そして強音の鋭さと弱音の柔らかさに特徴があった。
内容がぎゅっと詰まり、実に聴き応えのある演奏会であった。本日、東京公演が予定されている。
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