延原武春、中野振一郎 IN 第九 de クリスマス
ザ・シンフォニーホールへ。
まず延原武春/テレマン室内オーケストラ・合唱団で《100人の第九》。
- ベートーヴェン/交響曲 第9番
昨年はクラシカル(古)楽器によるベートーヴェン交響曲全曲演奏に取り組んだ延原さんだが、《100人の第九》ではモダン楽器による演奏。古楽器のボウイング(弓使い)を熟知している楽員だからちゃんとピリオド奏法で、バロック・ティンパニを使用している。ベートーヴェンの記したメトロノーム記号(速度表記)に即した解釈で、颯爽として小気味好い。少人数で余分な贅肉がそぎ落とされ、タイトな演奏。やっぱりベートーヴェンはこうでなくっちゃ!
プログラム後半は、
- テレマン/3本のトランペットとティンパニのための協奏曲
- パーセル/Oのラウンド”アブデルアーザー”
- パーセル/組曲 第1番よりメヌエット
- ヘンデル/組曲 ニ短調よりサラバンド
- ヘンデル/オラトリオ「メサイア」よりピファ(田園風序曲)
- モーツァルト/ホルン協奏曲 第1番 第1楽章
- ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲「四季」より”冬”第2・3楽章
- J.S.バッハ/コラール「主よ、人の望みの喜びよ」
- ハイドン/オラトリオ「四季」より”冬”終曲
- 賛美歌「もろ人こぞりて」「神の御子は今宵しも」「荒野の果てに」
- 「きよしこの夜」(アンコール)
今年はヘンリー・パーセル生誕350年、ヘンデル没後250年、ハイドン没後200年という記念の年だった。その割りに、演奏される機会は少なかったけれど(クラシック音楽も商売だから、集客を望めない作曲家に対して演奏家は冷たいのである。しかし来年はショパンで儲けようと、皆てぐすね引いて待っている)。
パーセル2曲とヘンデルの組曲は中野振一郎さんのチェンバロ独奏。切れ味鋭く畳み掛けるような、鮮やかな演奏だった。なお今年リリースされた中野さんのCD「パーセル作品集」は見事2009年度レコード・アカデミー賞に輝いた→詳細はこちら。
モーツァルトのホルン・ソロは木山明子さん、ヴィヴァルディのヴァイオリン・ソロ(およびコンサート・ミストレス)は浅井咲乃さん。どちらも日本テレマン協会のメンバーである。一陣のそよ風が吹き抜ける、軽やかで清々しい演奏であった。
午後2時開演で、終わってみれば4時47分。たっぷり年末気分を堪能させてもらった。
| 固定リンク | 0
「クラシックの悦楽」カテゴリの記事
- 映画「マエストロ:その音楽と愛と」のディープな世界にようこそ!(劇中に演奏されるマーラー「復活」日本語訳付き)(2024.01.17)
- キリル・ペトレンコ/ベルリン・フィル in 姫路(2023.11.22)
- 原田慶太楼(指揮)/関西フィル:ファジル・サイ「ハーレムの千一夜」と吉松隆の交響曲第3番(2023.07.12)
- 藤岡幸夫(指揮)ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 再び(2023.07.07)
- 山田和樹(指揮)ガラ・コンサート「神戸から未来へ」@神戸文化ホール〜何と演奏中に携帯電話が鳴るハプニング!(2023.06.16)
「古楽の愉しみ」カテゴリの記事
- アリーナ・イブラギモヴァ 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル(2022.10.18)
- エマニュエル・パユ(フルート) & バンジャマン・アラール(チェンバロ) デュオ・リサイタル(2021.12.11)
- ミシェル・ブヴァール プロデュース「フランス・オルガン音楽の魅惑」Vol. 1(2021.12.10)
- 決定版!フルートの名曲・名盤 20選(2021.04.06)
- 鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン「ヨハネ受難曲」@いずみホール(2021.03.10)
コメント