映画「パンドラの匣」
評価:B+

太宰治 生誕100年だそうである。だから「ヴィヨンの妻」やこの「パンドラの匣」などが今年、相次いで映画化された。映画公式サイトはこちら。
何と言っても映画に流れる空気感がいい。ちゃんと昭和20年代の匂いがして、虚構の中のリアリティが感じられる。冒頭、桶に溜められた水の鏡が映し出す風景から一気に魅了され、僕はこの作品に恋をした。
川上未映子の凛とした佇まい、天真爛漫な笑顔が魅力的な仲里依紗が素晴らしい。主人公を演じる染谷将太もききりとして好感が持てる。なお、川上未映子は作家としても活躍しており、「乳と卵」で芥川賞を受賞している。
音楽はジャズ・ミュージシャンの菊地成孔。一曲の間にどんどん転調していく様はまるでミッシェル・ルグラン(「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」)みたい!そのモダニズムがちゃんとこの作品に似合っているのだから不思議だ。これこそが、太宰が作品の中で目指した「軽み」(現代の言葉に置き換えるなら「ポップさ」)なのかも知れない。
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