桂雀々/利久寄席
大阪・堺市にある手打ちそば・うどんの「利久」へ。店の3階にある15畳ほどの狭いスペースを利用し、隔月に開催されている利休寄席を聴くためである。木戸銭が2,000円で牡蠣そば付き(←季節により変わる)。お値打ち(名古屋弁)である。
今回が167回目。平成元年から始まり昨年7月に20周年を迎えた。以前は桂む雀さんが世話人を担当されていたが、病に倒れたため現在は桂米平さんが引き継がれている。米平さんは繁昌亭昼席では色物・立体紙芝居を担当されている。
毎年11月は桂雀々さんが出演されるのが恒例だそう。この日はお昼に名古屋で独演会があったそうで、開演ぎりぎりに駆けつけられた。
上の写真はお店に飾られた故・桂枝雀(雀々さんの師匠)の色紙。「萬事気嫌よく」と書かれている。
さて演目は、
- 桂とま都/つる
- 桂 米平/稲荷俥
- 桂 雀々/疝気の虫
噺家は客席を縫って高座に上がる。なんとも手作りの雰囲気がある。
とま都さんは都丸さんのお弟子さん。来年、都丸さんが「塩鯛」を襲名するのに伴い、「小鯛」に改名予定との紹介があった。
米平さんは米朝師匠の文化勲章受章の話をマクラに、誰もやり手がなかった噺を米朝さんが復活させた「稲荷俥」へ。
雀々さんは「もう僕は米朝師匠のように人間国宝とかは無理なので、天然記念人物を目指します」と。滅びかけていた上方落語を守り、育て、天皇陛下から直接勲章を授与されるに至った過程を落語「はてなの茶碗」になぞらえ、「遂に《はてなの米朝》になってしまわれました」
雀々さんの「疝気の虫」を聴くのは今年5回目。それでも聴く度にアレンジ、工夫が加わり、何度聴いてもすこぶる面白い。やっぱり雀々さんは最高!この噺には堺名物・大寺餅が登場するので、なんだか臨場感があった。落語の醍醐味を堪能した。
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