立川談春・桂文珍/京橋精選落語会
よしもとの小屋、京橋花月へ。
桂 文珍さんがプロデュースする落語会の第一回目。満席で当日券は立ち見のみ。前回ここを訪れた時は余りの客層の悪さに閉口したが、今回は「場内飲食禁止」「途中入退場お断り」などをアナウンスしており、心地よい雰囲気で聴けた。
- 月亭 八光/ちりとてちん
- 桂 文三/芋俵
- 立川 談春/夢金
- 笑福亭三喬/べかこ
- 桂 文珍/らくだ
まずは文珍さんが登場し、ご挨拶。「私が仕分け人です」と。吉本興業所属の落語家だけではなく、米朝事務所、松竹芸能、無所属、そして東京の噺家も含めボーダレスで今一番輝いている人、旬な人に出演してもらえる会にしたいと趣旨説明された。今後、年二回くらいのペースを予定しているそう。「しかしセレクト・ショップの筈なのに、なぜ八光が入っているのか疑問に想われる方もいらっしゃるでしょう」ここで場内大爆笑。
その八光だが、マクラで西川きよしさんのエピソードを披露。これが実に詰まらん。ペケ×
文三さんは機嫌良いアホたちが賑やかに、陽気で愉快な一席。
東京からのゲスト、談春さんはマクラを振らず一気に噺の世界へ。この人は情景描写が卓越していてグイグイ惹き付ける力がある。雪が降りしきる深閑とした寒さが客席までしっかり伝わってきた。気迫があり絶品。僕は江戸落語は基本的にくだらないと想っているけれど、(柳家)喬太郎と談春は違う。このふたりは別格だ。
仲入りをはさみ、「松竹芸能の三喬です。今日はアウェイの仕事なので緊張しています」と開口一番。「文珍師匠のお陰でベルリンの壁が崩れました。その瓦礫に埋もれないよう頑張ります」……などと三喬さんは殊勝な発言をしながらも、噺の中で興行主が「ギャラの7割を搾取する吉本みたいなえげつないことはしないから」というくすぐりを入れたりして、中々したたかである。
トリの文珍さんもマクラ抜きで大ネタ「らくだ」へ。独自の工夫が色々あって聴き応えたっぷり。大変充実した会であった。
| 固定リンク | 0
「古典芸能に遊ぶ」カテゴリの記事
- 映画「オッペンハイマー」と、湯川秀樹が詠んだ短歌(2024.06.15)
- 柳家喬太郎 なにわ独演会 2023(2023.10.11)
- 柳家喬太郎独演会@兵庫芸文 2023(2023.06.23)
コメント
先日の京橋精選落語会に私も参りました。
私は下手寄り、前から四列目でしたが、開演しても入場して来る人が何人も・・・途中で出て行ったかと思うと又入って来たりの人も居ました。あちこちの落語会場に行きますが、この様に落ち着かない会場は初めてでした。
せめて一席終わる迄はロビーで待機していて貰いたいですね。
それから八光さんのマクラには長すぎて溜め息がでました。 (西川きよしさんの話は以前テレビ番組で聞いていた)前座さんの役割が分かってないです。 入門13年にしては勉強が足りませんね。
あとの4人の方はさすが。特に談春さん・文珍さんには感心するしか有りませんでした。これからも何度も聞きたいお二方でした。
失礼いたしました。
投稿: ひさこ | 2009年11月18日 (水) 15時43分
ひさこさん、コメントありがとうございます。
花月最大の敵はマナーの悪い客ですね。吉本もこれから落語に本気で取り組むつもりなら、なんとかしないと。そういう意味で、ひさこさんが仰る通り今後劇場スタッフの教育が肝心要だと想います。
それから八光のことですが、マクラはあくまで噺の導入部であって、しょーもない雑談の場ではないということが彼には分かっているのか?と疑問に感じました。入門11年目の笑福亭たまさん、10年目の桂吉坊さんらの方が上手いです。というか、先日聴いた月亭方正(山崎邦正)さん(2008年入門)の落語は八光より遥かに面白かったです。
投稿: 雅哉 | 2009年11月18日 (水) 18時49分