イングロリアス・バスターズ
評価:B+
A級の予算とブラッド・ピットという大スターが主演ながら、B級テイストたっぷり!クエンティン・タランティーノ監督(以下タラちゃんと呼ぶ)最新作。映画公式サイトはこちら。
冒頭のクレジット・タイトルからいきなりディミトリ・ティオムキン作曲「遥かなるアラモ」(ジョン・ウエイン監督・主演の映画「アラモ」1960年)が高らかに鳴り響くもんだから仰天した。
ナチス占領下のフランス。ファースト・シーンは丘の上の一軒家、洗濯物がはためく向こう側からナチスのジープがやって来る。そこへエンニオ・モリコーネがベートーヴェンの「エリーゼのために」をアレンジし、絡めた「復讐のガンマン」の音楽が流れ出すといった具合。そして復讐の物語が動き始める。第二次世界大戦を舞台にしながら、ノリは完全にマカロニ・ウエスタン。
タラちゃんらしく、頭皮を剥ぐなど残酷描写の中に一匙のユーモアがふりかけられ、悪趣味になる一歩手前で踏みとどまっている。三つ子の魂百まで。血みどろの銃撃戦もあるし「レザボア・ドッグス」('92)「パルプ・フィクション」('94)の頃からこの人は少しも変わっていない。
本作のクライマックス(ヒトラー、ゲッベルスらナチス高官皆殺し計画!)は映画館。タラちゃんの映画愛が溢れ(まるでロベール・アンリコの「ラムの大通り」かフランソワ・トリュフォーの「アメリカの夜」みたい)、実に痛快なエンターテイメントに仕上がっている。傑作。
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