映画「キャデラック・レコード」
評価:C
1940-60年代のシカゴを舞台に、伝説的なレコード・レーベル「チェス・レコード」と、その所属アーティストたちの人生を描く実話。
ブルースからロックンロール誕生にかけてのアメリカ黒人音楽史、そしてチャック・ベリーからエルビス・プレスリー、ザ・ビーチ・ボーイズ、ローリング・ストーンズらへと、黒人音楽として生まれたロックンロールが白人社会に受け入れられていく様子が良く分かる。そういう意味で勉強になる作品。ただし、映画としての魅力には乏しい。
公式サイトはこちら。
僕はビヨンセ・ノウルズが見たくて映画館に足を運んだのだが、彼女が登場するのは映画の後半以降で肩透かしを食らった。
ビヨンセはガッツがある女性である。映画「ドリームガールズ」では主役でありながら、助演のジェニファー・ハドソンにあらゆる賞を持っていかれてしまった。しかしアカデミー賞授賞式で主題歌賞候補作のパフォーマンスで登場した彼女は「このステージは私のもの」とばかり、もの凄い気迫で熱唱した。最近のインタビューで彼女はこう語っている。「オスカーが欲しい。今から何年かかってもいい。それが私のゴールなの」そしてこの「キャデラック・レコード」では自ら製作総指揮も務めている。
さてビヨンセが将来、オスカーを受賞出来るとすればどの作品だろう?まず現在リメイク企画が進行中の「スター誕生」(4度目の映画化)。1937年版のジャネット・ゲイナーと54年版のジュディ・ガーランドはアカデミー主演女優賞候補になっている。あるいは、ディズニー版ミュージカル「アイーダ」。ブロードウェイでタイトル・ロールを演じたヘザー・ヘッドリーはトニー賞に輝いた。まあいずれにせよ、今後の展開が愉しみだ。
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コメント
ご無沙汰でした(といっても毎日拝見しておりますが)鯉太郎です。
>「ドリームガールズ」では主役でありながら、助演のジェニファー・ハドソンにあらゆる賞を持っていかれてしまった。
主役だったんですか?僕は全く知識なしにDVDで見て、主役はジェニファー・ハドソンだと今の今まで思っていたのですが・・・
でもビヨンセの美しさ、艶っぽさは、衝撃でした。
投稿: 鯉太郎 | 2009年10月16日 (金) 07時05分
鯉太郎さん、お久しぶりです。
ジェニファー・ハドソンはアカデミー賞他、受賞したのは全て「助演」女優賞です。主演か助演かの定義は難しいですね。例えば映画「シカゴ」ではキャサリン・ゼダ=ジョーンズがアカデミー助演女優賞を受賞し、レニー・ゼルウィガーは主演女優賞にノミネートされましたが、映画における両者の比重はそんなに違いません。それを決めるのは映画会社とも言えるでしょう。例えば「シカゴ」で二人が主演女優賞候補になってしまえば、票が割れて共倒れになりかねません。だから片一方を「主演」、もう一方を「助演」としてエントリーする戦略を取るのです。
投稿: 雅哉 | 2009年10月17日 (土) 22時11分