立川談志休演、談春代演/朝日東西名人会
シアタードラマシティにて。
当初出演が予定されていた立川談志さんが病気療養のため年内のスケジュールを全てキャンセルされ、代わりに弟子の談春さんが出演されることとなった。
本当はこの翌日、繁昌亭での「談志・三枝ふたり会」のチケットも取っていたのだが公演中止となり、そちらは払い戻しをした。
- 桂 吉坊/宿屋町
- 林家 彦いち/青菜
- 笑福亭松喬/質屋蔵
- 林家 染二/貧乏神(小佐田定雄 作)
- 立川 談春/ねずみ穴
吉坊さんは軽快に明るい口調でぽんぽんと高座を運ぶ。所作が綺麗。「宿屋町」は”東の旅”シリーズのひとつ。お伊勢参りを済ませた二人連れの帰路を描く。「こぶ弁慶」の前半部にあたり、この後に「三十石」が続く(恐らく「こぶ弁慶」という噺は後世の人がふたつの噺を無理やりくっ付けたものと推定される)。
彦いちさんは大阪駅からタクシーに乗り、「梅田芸術劇場まで(ドラマシティーはその地下にある)」と告げると、運転手さんから「アイーダに出んのん?」と訊かれたエピソードをマクラに。
松喬さんはもっちゃりと、愛嬌のある調子で。人の良さそうな熊さん(熊五郎)の描き方が秀逸、ほのぼのとして親しみがわく。これぞ名人の味わい。
染二さんのネタは故・桂枝雀さんが初演したもの。枝雀さんとはまた違ったキャラクター設定(役作り)で、その巧さが光る。
談春さんは談志さんの代役ということで荷が重かっただろうが(「師匠の代わりが務まる者がこの地球上にいるとは想えません」とキッパリ)、そのプレッシャーを跳ね返すパワーに溢れた大熱演であった。才気迸り、切れがある。ある意味、凄みを感じた。
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