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2009年10月 3日 (土)

スタジオジブリ・レイアウト展

サントリーミュージアム(天保山)にてスタジオジブリ・レイアウト展を鑑賞。

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レイアウトとはいわば、アニメーションの設計図である。画面の構図のみならず、カメラの動き、描かれた雲が移動するスピード、ここは(美術監督が担当する)背景画なのか、あるいは(動画アニメーターの受け持ちである)セル画なのか等、細かく記載されている。

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宮崎駿さん(以下、”宮さん”と呼ぶ)が初めてこのレイアウトを手がけたのが東映動画時代の「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968)。その後、劇場用中篇アニメーション「パンダコパンダ」(1972)を経て、テレビ「アルプスの少女ハイジ」(1974)で本格的に取り組むことになる。なんと全52話のレイアウトを宮さんがたった一人で担当したそうだ。しかしその時代”レイアウト”という言葉はなく、高畑勲監督は宮さんのために苦心して”場面設定”、”画面構成”といった用語を編み出した。

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展覧会の方は「風の谷のナウシカ」から「崖の上のポニョ」までの宮崎駿監督によるアニメーション映画のみならず、初期のテレビ作品「アルプスの少女ハイジ」「母を訪ねて三千里」「赤毛のアン」(宮さんがレイアウトを担当したのは1-15話まで。「アンは嫌いだ。後はよろしく」と言い残し、映画「ルパン三世 カリオストロの城」に着手)「未来少年コナン」「ルパン三世」などのレイアウトまで展示されていたのには驚いた。

兎に角、膨大な数のコレクションであった。作品によって残っているものと、ないものの差があり、「魔女の宅急便」はたった2枚しかなく残念であったが、その代わり米アカデミー賞長編アニメーション部門を征した「千と千尋の神隠し」コーナーのボリュームには圧倒された。天井まで壁一面がレイアウトに覆い尽くされている。鑑賞する人々から「オォ!」と驚嘆の声が漏れる。天才・宮崎駿の偉業、ここに極まれり。

また千尋の両親が豚に変身する前、食べたメニュー(香辛料をたっぷりすり込んだ鳩の丸焼き、汁気たっぷりの具を詰めた鳥、変わり春巻き、カレー味の魚、モルモットの味噌煮、豚の角煮)が判明したのがちょっと嬉しかった。

なにしろ1,300点もあるので、全部に十分な時間は掛けられない。当然、僕が大嫌いな高畑勲監督作品(「火垂るの墓」「おもいでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」「ホーホケキョ となりの山田くん」)や宮さんの息子(「ゲド戦記」)のコーナーは素通りすることとなった。

レイアウト展の開催期間は10月12日まで。必見!

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コメント

コメントしまーす。
ジブリの新作は11年ぶりの高畑監督作品で
「竹取物語」を題材にした鳥獣戯画タッチの作品になるそうで。
このニュース知った時「おっ長編また撮れるのか」と
驚いてしまいました。

投稿: S | 2009年10月 3日 (土) 14時51分

Sさん、どうも。

巷で「ジブリ映画」と一括りで語られることに、僕はどうしても違和感を憶えます。だって宮崎アニメと高畑アニメは全くの別物ですから!一緒にしないで欲しいですよね。

松竹が配給した「ホーホケキョ となりの山田くん」は興行的に大失敗、製作費の半分しか資金を回収できなかったそうです。だから高畑さんは長い間《干されて》いたんですよね。自業自得です。宮崎さんは「何でこんな題材をアニメにしたがるのか僕にはさっぱり理解できない」と公言して憚らなかったのですから。「となりの山田くん」は製作費の一部をディズニーが負担していますが、これも大いなる誤算となりました。結局アメリカで公開することも、DVDソフトとして売ることも出来ない代物に仕上がってしまいました。

投稿: 雅哉 | 2009年10月 3日 (土) 19時16分

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