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ウィーン音楽祭 in OSAKA 2009/古楽器アンサンブルで聴くシューベルト《ます》

いずみホールで開催されているウィーン音楽祭 in OSAKA 2009に足を運ぶ。

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今回の演奏会はフォルテピアノの第一人者・小倉貴久子さん(ブルージュ国際古楽コンクール・フォルテピアノ部門第1位)を中心とした室内楽で「古楽器アンサンブルの楽しみ〜銘器シュトライヒャーを囲んで」と副題が付いている。

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古楽器のエキスパートが揃い、ヴァイオリン:桐山建志(ブルージュ国際古楽コンクール・ソロ部門第1位)、ヴィオラ:長岡聡季(オーケストラ・リベラ・クラシカ)、チェロ:花崎薫(新日本フィルハーモニー交響楽団首席)、コントラバス:笠原勝二(オーケストラ・リベラ・クラシカ)というメンバー。曲目は、

  • ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲 第3番
  • ベートーヴェン:交響曲 第2番(ピアノ三重奏版)
  • シューベルト:ピアノ五重奏曲《ます》
  • フンメル:ピアノ五重奏曲より第2楽章メヌエット(アンコール)

プログラムの解説によるとベートーヴェンのシンフォニーは作曲家自身の編曲と記載され出版されたものだが、現在ではそれが疑問視されており弟子によるものではないかと考えられているそう。こちらで試聴出来る。ラジオやレコードなど録音技術がなかった当時としては、オーケストラ曲を家庭で手軽に愉しむ手段としてこのようなアレンジが求められていたようだ。ショパン/ピアノ協奏曲にもショパン自身の編曲による室内楽版が存在し、ライヴで聴いたことがある。

さて、今回使用されたフォルテピアノはナネッテ・シュトライヒャーが1820年代に製作したもの(コピーではなくオリジナル楽器)で、いずみホール所蔵。シュトライヒャーはウィーンを代表する製作者でベートーヴェンと交流もあったそう。 モーツァルト時代のピアノフォルテは膝レバーだったが、この頃の楽器は足ペダルになっている。

フォルテピアノは音域によって音色が異なる。鄙びた響きがして、現代のピアノと比較し大音量が出ないこの楽器はピュア・ガットを張った弦楽器と良く馴染み、音が溶け合う。

個性よりも調和。成る程、作曲家が頭の中で描いていたイメージはこういう響きだったのだと納得がいく、説得力のある演奏だった。

小倉さんのタッチは軽やかで小気味好い。《ます》では清らかな川面で魚が跳ねているような鮮度があった。

気心が知れた仲間たちが音楽を愉しんでいるという雰囲気があり、19世紀ウィーンのサロンに紛れ込んだような気分を堪能させてもらった。

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