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2009年9月17日 (木)

フルートの新星現る!/大阪シンフォニカー交響楽団 定期

大阪シンフォニカー交響楽団の定期演奏会に足を運んだ。指揮は大友直人さん。

Riria

  • ヴォーン=ウィリアムズ/タリスの主題による幻想曲
  • モーツァルト/フルート協奏曲 第2番
  • エルガー/交響曲 第2番

タリスの主題による変奏曲」は透明感があり、清冽な演奏。大友さんの知的センスが光る。弦が2つに別れ、第2群の9名(1st.Vn. 2, 2nd.Vn 2, Va 2, Vc 2, Cb 1)が最後列横一列に並び、前方の第1群と対話する。真に美しい音楽である。

エルガーは第1楽章第1主題がいきなり今まで聴いたことがないくらい超高速のテンポでびっくりした。バルビローリの慈愛に満ちた表現やプレビンのソフト・タッチとは全く異なり、金管がR.シュトラウスの如く吼え、嵐のように激しいエルガー。まあそれが曲にとって相応しいかどうかは置いておいて、こんな解釈も可能なんだと目から鱗、刺激的で面白い演奏だった。

しかし今回の演奏会の白眉は何と言ってもフルート協奏曲であろう。新村理々愛、15歳、現在中学三年生。途轍もない才能である。軽やかに指が動き、縦横無尽に音符が天翔る。高音から低音までムラなく、伸びやかにホールに鳴り渡る。ノン・ヴィブラートから超高速ヴィブラートまで変幻自在、ブレス・コントロールが絶妙。2009年8月、日本フルート・コンベンション・コンクールで史上最年少優勝。現在、工藤重典さんに師事しているらしいが既に工藤さんレベルの実力を備えている(2年前の彼女が演奏する動画を発見→こちら)。

僕は今年、第7回神戸国際フルートコンクール入賞者の演奏を聴いたが(感想はこちら)、新村さんがもし出場していたならば確実に上位に食い込んでいただろう。4年後に開催されるこれか、あるいはジャン=ピエール・ランパル・フルートコンクールなど大舞台で、彼女は近い将来優勝するに違いない。

モーツァルトのカデンツァが今まで聴いたことがないものだったので驚いた。調べてみると案の定、彼女の自作らしいことが判明(→こちらのブログ記事より)。末恐ろしい少女である。

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