桂雀々落語のひろば Vol.40
8月16日(日)、大阪モノレール・千里中央駅に直結した千里朝日阪急ビル4F A&Hホールで桂雀々さんの落語会を聴く。この会は今年で16年目、ちょど40回を迎えたそうである。
- 優々/子ほめ
- 春菜/御先祖様(春蝶 作)
- 雀々/疝気(せんき)の虫
- 文三/崇徳院
- 雀々/どうらんの幸助

春菜さんは8月30日(総選挙の日!)に亡き父親の名跡”春蝶”を襲名するが、そのあいさつに笑福亭仁鶴さんの家を訪れると、黒紋付に袴で迎えられたそう。お膳が用意され、そこには紅白のかまぼこ、紅白天然祝鯛、いくらと大根(紅白なます)など目出度い品々が並び、仁鶴さんから「春蝶さんは志半ばで倒れられました。貴方はその遺志を継ぎ、お父さんの見果てぬ夢の続きを追ってあげて下さい」と激賞され、号泣したとのこと。仁鶴邸を後にして次に訪れたのが桂ざこば邸。呼び鈴を押すとラフな格好で出てきたざこばさん、「おう、まあ入れや」……春菜さんが正座して口上を述べはじめると、「ややこしいことはもうええから、串カツでも食いに行こうや」そして飲むこと8時間半!(←噺家の語ることなので、話半分に聞いておいた方がいいかも)まるで落語みたいな人だ。いかにもざこばさんらしいエピソードに腹を抱えて笑った。勿論、会場も大受け。
文三さんはダイエット前はコンビニの「小倉マーガリン」が大好きで、朝食としてそれを3個(=計1600Kcal !)平らげた上にカツカレーにも手を出していたとか。どんなものか帰って調べてみると、こちらのサイトに写真を見つけた。こ、これは凄い!文三さんの「崇徳院」はいつもの賑やかな調子で気のいい”熊五郎”を演じ、明るく愉しい高座であった。
雀々さんはサンケイホールブリーゼで開催される独演会で掛ける「地獄八景亡者戯2009」の予告から。噺の中で酒井法子のことに触れないわけにはいかない、「のりピー」が「らりピー」になったとか、「蒼いうさぎ」ならぬ「白いけむり」だとか。先日亡くなったばかりのマイケル・ジャクソンをどこで出そう、山城新伍さんを登場させたら生々しくなるな、とか舌好調!
「疝気の虫」のマクラは沖縄・小浜島にあるリゾート・ホテル「はいぶるむし」(前・ヤマハリゾート)での落語会のエピソード。集まったお客さんは「ジジババババババババ…」ばかり。そのリズミカルな口調が心地よい。
「どうらんの幸助」はやはりどこか、師匠の枝雀さんを彷彿とさせるところがあった(枝雀版「胴乱の幸助」DVDが今、手元にある)。ただ枝雀さんが怜悧な分析に基づき緻密な計算でコントロールされた高座であるのに対し、雀々さんはむしろ勢いで一気呵成に魅せる芸という気がする。弟子たちは師匠から芯となるものを受け継ぎつつ、それぞれ独自の道を歩んでいる。噺家さんから言わせたら多分、「そんなの当たり前」のことなんだろうな。
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