「らくごのご」復活!/桂ざこば一門会
天満天神繁昌亭で桂ざこば一門会を聴く。

幕が上がると出演者五人が横一列で勢揃い。挨拶が終わり、ざこばさんが「好きなテレビ番組をそっちから順番に言っていって」そこでひろばさんが「鶴瓶の家族に乾杯」ですと答えると、ひろばさんを睨みつけたざこばさん、「ほしたら鶴瓶の弟子になったらよかったやないか!」と吠える。ここで聴衆は大爆笑。ちなみに鶴瓶さんが上方落語協会の副会長に選ばれたとき、ざこばさんは鶴瓶さんに向かって「よりによって、なんでお前が副会長やねん!」と怒っていたそうだ(このエピソードは鶴瓶さんのライブで聞いた)。
そしてざこばさん、今日は「らくごのご」をしますと。一門の人たちも寝耳に水だったようだ(テレビ「ざこば・鶴瓶らくごのご」について、詳しくはウィキペディアをご覧あれ→こちら)。この番組は放送中に僕も何度か見たが、鶴瓶さんがそつなく三題噺をこなしオチまで鮮やかに決めるのに対して、ざこばさんは毎回四苦八苦して、今にも泣き出しそうになることもしばしば。どうして自分の首を絞めるようなことをもう一度やろうというのかと、ざこばさんの発言に吃驚した。
客席からお題を募り、最終的に《酒井法子》《ぶれる》《襲名》に決まった。
即興で三題話に挑戦するのは二人。前座のとま都さんは今回が一門会初参加で繁昌亭も初めて。可愛そうだからと免除に。そこでざこばさん、「オレはトリやる!最後に古典でビシッと決めんと」と逃げてしまい、「後の三人でくじを引け」…お題が書かれた三枚の色紙を裏返しにして《酒井法子》を引いた人がすることになった。先ず決まったのが都丸さん。ざこばさんはさらにシャッフルして、残りの二人に引かせた。表に返すと《ぶれる》と《襲名》。つまり、ざこばさんの手元に《酒井法子》が残ったのである!結局、言い出しっぺがやる羽目に。
- ざこば、都 丸、都んぼ、ひろば、とま都/ご挨拶
- とま都/子ほめ
- 都 丸/三題噺
- ざこば/三題噺
- ひろば/はてなの茶碗
- 都んぼ/遊山船
都丸さんもざこばさんの三題噺も途中で上下(かみしも)が逆になるし、もうグダグダ。困り果てた二人の様子に、会場はバカ受け。「早く降りろという空気をビシビシ感じます」とざこばさん。客席から拍手。「ここで拍手が起こるっちゅうことは……そういうことやねんな」と肩を落とす。「でもサゲを言わないと降りられへん。(客席から笑い)う〜ん、『ごめんなさい』と頭をサゲる」でなんとか無事、終了した。
中入り後に登場したひろばさん、「ざこば師匠からお客さんにしっかり謝っといてと伝言されました。落ち込んだ師匠はもう先に飲みに行ってしまわれました」「ボロボロの師匠方の後だと、とても気が楽です」
続いて都んぼさん、「都丸師匠からも、お客さんに謝っといてと言われました」
しきりに反省されていたお二人だが、観客の立場としては大変貴重な体験をさせて頂いた。ベテランが困り果てている姿を見て笑うという趣向は、サディスティックな面白さがある。むしろ若手が三題噺をしても、これほど盛り上がらなかったのではなかろうか?
ざこばさん、都丸さん、これに懲りず、また「らくごのご」にチャレンジして下さいね!
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