日本テレマン協会/マンスリーコンサート「テレマン&バッハの夕べ」
大阪倶楽部でテレマン協会のマンスリーを聴く。
- テレマン/”忠実なる音楽の師”よりイントロドゥツィオーネ
- テレマン/ヴァイオリン協奏曲 ホ長調
- テレマン/フルートとオーボエ・ダモーレ、ヴィオラ・ダモーレの為の三重協奏曲
- J.S.バッハ/管弦楽組曲第3番よりアリア(G線上のアリア)
- J.S.バッハ/チェンバロと2つのリコーダーの為の協奏曲
最後の曲はブランデンブルク協奏曲第4番をバッハ自ら編曲したもの。ヴァイオリン・ソロをチェンバロに置き換え、華麗な技巧が愉しめる。チェンバロはドイツから帰国したばかりの高田泰治さん。現在チェンバロ及びフォルテピアノをミュンヘン音楽大学のクリスティーネ・ショルンスハイム(アンドレアス・シュタイアーの弟子)に師事している。以前にも増して気高く、ドイツ的堅固さを感じさせるパフォーマンスとなった。
指揮およびオーボエ・ダモーレは延原武春さん。演奏はテレマン・アンサンブルでバロック楽器が使用された。つまりガット弦が張られ、フルートは木製のフラウト・トラヴェルソ。リコーダーはフルートの森本英稀さんと出口かよ子さんが持ち替えで演奏された。原曲も良いけれど、バッハによるリコーダー・アレンジも愉しい。
ヴィオラ・ダモーレは7弦の楽器で演奏弦の下にさらに金属製の共鳴弦を5弦有する。「愛のヴィオラ」という名称通り、夜の静けさに似合う甘美な音色がとても魅力的。素敵な夏の夜のひとときを過ごした。
なお、延原さんによると9月25日に兵庫芸文で大阪フィルハーモニー交響楽団を指揮するブラームス/交響曲第1番の第2楽章は1877年の決定稿ではなく、その前年1876年に出版された初演稿を用いるとのこと(構成がかなり異なるという)。ピリオド楽器によるベートーヴェン・チクルスを日本で初めて成し遂げ、ドイツ連邦共和国より功労勲章を授けられた延原さんが、今度はブラームスでどのように新鮮な解釈を聴かせてくれるのか、とても愉しみだ。
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