ジェームズ・キャメロン監督「アバター:Avatar」特別3D映像公開イベント体験記
アカデミー賞で作品賞・監督賞など全11部門を制した「タイタニック」から12年。「エイリアン2」「ターミネーター2」などで一世を風靡したジェームズ・キャメロン監督の最新作は久しぶりのSF大作「アバター」である。
その驚異の映像が8月21日に世界60ヶ国で同時解禁となり、日本ではTOHOシネマズの全国7劇場(六本木、川崎、横浜、名古屋、梅田、なんば、久山)と「新宿バルト9」限定で特別3D映像公開イベント開催された。僕は梅田TOHOシネマズでそれを体感してきた。
キャメロンと撮影監督ビンス・ペイスにより共同開発されたフュージョン3Dカメラシステム(Fusion 3D Camera System)による映像で、3Dメガネをかけて鑑賞する仕組み。この技術は既にドキュメンタリー映画「ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密」で使用されている(僕は天保山にあるサントリーミュージアム/アイマックスシアターで観た)。
上映時間約20分。吹き替えではなく、日本語字幕が浮き上がってくる映像だった。
従来のびっくり箱のように飛び出す3Dというよりはむしろ、奥行きのある映像を愉しむという感じかな。特にCGの映像は効果的だが、実写の人間は立体感が余り感じられない。この程度ならむしろ、3Dメガネが煩わしいので2D(平面)映像で十分という気がした。
特撮は「ロード・オブ・ザ・リング」のWETAが担当しているので映像は確かに凄い。アバターやクリーチャー、戦闘ヘリの質感が克明で、コンピューターによる《作り物》という気がしない。アカデミー視覚効果賞くらいは獲れるのではないだろうか。ただアバターのデザインが洗練されていないし、恋愛があったりとストーリーとしては《微妙》かな?キャメロンの系譜としては「エイリアン2」「ターミネーター2」の質的高みにまで届かず、せいぜい「アビス」レベルにとどまる可能性もあるのではという気がした(「アビス」も特撮だけは素晴らしかった)。上映が終わり場内が明るくなったときの観客の反応も、興奮しているというよりはむしろ、「こんなものか」と戸惑っているような雰囲気だった。
音楽は「エイリアン2」「タイタニック」のジェームズ・ホーナー。まだポスト・プロダクション(編集作業)中なのでオーケストラによるサウンド・トラック用レコーディングは行われていないらしく、シンセサイザー(電子音)?による擬似オーケストラ・サウンドであった。
なお、予告編はこちらから見ることが出来る。
映画本編の公開は12月18日より。
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