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笑福亭鶴瓶「立ち切れ」/きん枝のがっぷり寄席

天満天神繁昌亭で「きん枝のがっぷり寄席」を聴く。

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今回のゲストは笑福亭鶴瓶さん。

  • きん枝・鶴瓶/対談
  • 笑福亭 鶴瓶/立ち切れ
  • 桂   きん枝/皿屋敷

対談は(桂)文枝一門と笑福亭の違いについてあれこれと。兄弟弟子が和気藹々とした雰囲気の文枝一門に対して(師匠は生前「兄弟仲良く」といつも言っていたという)、笑福亭は体育会系で上下関係が非常に厳しい。入門が一年早いだけでも直立不動で接しないといけない、等々。十番弟子である鶴瓶さんが亡くなった師匠・松鶴の邸宅を購入し寄席小屋「無学」を作ったときも、一番弟子である仁鶴さんにどう頼んで出演してもらおうかと苦心した話などで盛り上がった(面白いエピソードを色々聞かせてもらったが、「他所へは洩らさないように!」と釘を刺されたのでこれ以上は差し控えたい)。

きん枝さんの高座は、テンポが一定(単調)なのでどうも眠くなる。鶴瓶さんがされた「立ち切れたちぎれ線香)」に絡めたマクラで、桂米團治さんが小米朝時代、雀々さん主催の落語会で「立ち切れ」を高座に掛けた折にやらかした失敗談を披露された。

立ち切れ」は芸妓・小糸(こいと)と船場の若旦那の純愛物語(悲恋)である。上方落語、屈指の大ネタと言われている。線香=芸妓の花代の俗称で、当時は線香一本が燃え尽きる時間を単位とした。

落語「三枚起請」に小山(おやま=女郎)の小輝(こてる)という人物が登場するが、小米朝(当時)さんはそれと「立ち切れ」がごっちゃになり、”小糸”のことを最初に”小輝”と言ってしまった。それではいけないと想ったらしく話の途中で名前が”小糸”に代わり、最後は訳が分からなくなってなって「何で(三味線を)終いまで弾ぃてくれへんねん、”こてと”〜!!」と叫んだそうだ。

また、別の会でのエピソード。

以下、小糸の死後、クライマックスにおける若旦那と御茶屋の女将(小糸の母)との会話。

誰も弾かないのに仏壇から流れてきた三味線の音が「ピン」と急に止む。
「何でや? 三味線の糸が切れたん違うか? ちょっと見て」
「糸は切れてぇ しまへん……(中略)若旦那、もぉ何ぼ言ぅたかて、小糸、三味線弾かしまへんわ」
「何でやねん?」
「お仏壇の線香が、ちょうど立ち切れました」

ここで小米朝さん、言い間違えて「三味線が燃え尽きました」と。下座でお囃子を担当していたかつら枝代さん(枝雀夫人)がこれを聞き、「火事になるがな」と呟いたとか。

この「立ち切れ」は、笑福亭の元祖と言われる松富久亭 松竹(しょうふくてい しょちく)の作だとのこと。しかし現在、笑福亭でこの噺を高座に掛ける人がいないことが鶴瓶さんが取り組む契機になったそうだ。

鶴瓶さんは映画俳優としても活躍しておられるだけに役作りが巧みで、実に味わい深い「立ち切れ」に仕上げられていた。特に話の中盤に登場する番頭の威厳ある態度が絶品だった。

ただ、鶴瓶さんの高座の最中、客席のおばちゃんの携帯電話が派手に二回(しかも同一人物!)鳴ったことは非常に残念であった。マナーが悪いのは大体、年寄りと相場が決まっている。

昨年の「大阪クラシック」でも、演奏中に同様のことが起こった。僕が隣に座っていた張本人に「携帯の電源を切って下さい」と注意すると、そのおばちゃん曰く「切り方が分からないんです」……仕方ないので僕が代わりにOFFにしてあげた。機器の使用法が分からないのなら、最初から携帯を持つな!と言いたい。

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落語の前に繁昌亭近くの「亀の池 浪速」で、うな重をいただく。こんがり焼けた鰻はふっくら、サクサク。まことに美味なり。

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