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児玉宏(指揮)、岩田達宗(演出)/モーツァルト 歌劇「イドメネオ」

大阪音楽大学、ザ・カレッジ・オペラハウスでサマーオペラを鑑賞。今回はモーツァルト「イドメネオ」である。イタリア語上演、日本語字幕付き。

演奏は児玉宏/ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団&合唱団。児玉さんはチェンバロも兼任された。演出は鬼才・岩田達宗(神戸市 出身)。チケットは完売で、会場はぎっしり満席。

チケット代7,000円、破格の安さが嬉しい。「それで安いの?」と疑問に想われる方もいらっしゃるかもしれないが、オペラというのはとてもお金がかかるものなのだ。舞台装置・衣装・照明などの裏方、オーケストラ、合唱団、独唱者、指揮者、演出家……。人件費だけでも馬鹿にならない。ちなみに、他のオペラやミュージカルと料金を比較してみよう(最高額のみ記載)。

・ウィーン国立歌劇場2008年来日公演(東京):65,000円
・パリ国立オペラ2008年来日公演(兵庫芸文):58,000円
・佐渡裕プロデュース オペラ「カルメン」(兵庫芸文):12,000円
・宝塚歌劇(宝塚大劇場、生オケ):11,000円
・劇団四季 ミュージカル「オペラ座の怪人」(大阪、カラオケ):9,800円

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児玉宏さんのことについては、当ブログで何度も語ってきた。

児玉さんは”日本のカルロス・クライバー”であると、僕は常々思っている。天才的なセンス、オーケストラの統率力。世界でも指折りの名指揮者である。ドイツの様々な歌劇場で25年以上のキャリアを持っておられる児玉さんのオペラに今回、遂に接する機会に恵まれた。

また、岩田達宗さんの演出された舞台は過去に2回観ている(いずみホール)。何れも素晴らしいプロダクションだった。

Idomeneo

児玉×岩田。この史上最強の組み合わせに文句があろう筈もない。きりりと引き締まり、躍動する音楽。(例えば第3幕冒頭部など)要所要所にノン・ビブラート奏法を配し、その美しい音色が聴き手をハッとさせる。第2幕終盤では嵐の音楽が切れ味鋭く猛威を振るい、強烈なインパクトをもたらす。

シンプルな丸型の舞台装置はギリシャの円形劇場を意識したものであろう(「イドメネオ」は古いギリシャ神話を題材としている)。そこに帆が張られたり、赤い花弁やロープに繋がれた人形が天井から落ちてきたりすることで場面変換される巧みな演出。

歌手陣も充実していた。特に目を惹いたのがイーリアを演じた石橋栄実さん(公式サイトはこちら)。澄み渡る声、背筋をピンと伸ばしたその立ち姿の美しさ。つま先から歩く動作は軽やかで、あたかもバレリーナの如し。これも演出家の指示なのだろうか?11月に同じザ・カレッジ・オペラハウスで上演されるオネゲル/オペラ「火刑台のジャンヌ・ダルク」ではタイトル・ロールを演じられるそうだ。また愉しみが一つ増えた。

なお、公演の様子はザ・カレッジ・オペラハウスのブログで見ることが出来る(→こちら)。

今後、僕が児玉さんの指揮で是非とも観たいオペラはR.シュトラウスの「ばらの騎士」や「ナクソス島のアリアドネ」、あるいはE.W.コルンゴルトの「死の都」「ヘリアーネの奇跡」等である。スタッフの皆さん、ご検討宜しくお願いしますね!

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