バッハ・コレギウム・ジャパン《一夜のヘンデル・フェスティバル!》
兵庫県立芸術文化センター小ホールで鈴木秀明/バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)によるオール・ヘンデル・プログラムを聴いた。今年はヘンデル没後250年である。
以前、BCJの演奏で聴いたヘンデルの感想は下記。
今回のプログラムは、
- 合奏協奏曲「アレクサンダーの饗宴〜音楽の力」
- 詩編《しもべらよ、主をたたえよ》
- オルガン協奏曲 ト短調
- 詩編《主は、わが主に言いたまいぬ》
オルガン協奏曲の独奏は鈴木雅明さん。今回、鍵盤奏者としての鈴木(兄)の演奏を初めて聴いたが、ミス・タッチが結構あるし、指がもたつきイン・テンポで弾けていない場面も散見された。これなら昨年聴いたトン・コープマンの方がよっぽど上手いなと想った。
ソプラノ独唱は松井亜希さん、彼女およびBCJの合唱はまことに美しく、ウットリ聴き惚れた。
《しもべらよ、主をたたえよ》(ラウダーテ・プエリ・ドミヌム)は作曲された地イタリアの陽光が燦々と降り注ぐような明るさ、朗らかさがある。また《主は、わが主に言いたまいぬ》(ディクスィト・ドミヌス)はグレゴリオ聖歌が取り入れられ対位法を駆使した、とても劇的な傑作。有名な「メサイア」よりも、僕は断然この2曲の方が好きだ。
指揮者としての鈴木(兄)には全く文句なし。バロック・チェリストである鈴木秀美(弟)らが弾く管弦楽も鉄壁のアンサンブルで、歯切れよく生き生きしたヘンデルを聴かせてくれた。
楽器の配置は客席から見て左→右へ、Vn,Va,Vc,Cb,そして木管(オーボエ、ファゴット)という順で、対向配置でないのが興味深かった。
今回の評価としてはオルガン協奏曲が40点、他の3曲が100点満点で、総合点は(100×3+40)÷4=85点といったところだろうか。
| 固定リンク | 0
「古楽の愉しみ」カテゴリの記事
- アリーナ・イブラギモヴァ 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル(2022.10.18)
- エマニュエル・パユ(フルート) & バンジャマン・アラール(チェンバロ) デュオ・リサイタル(2021.12.11)
- ミシェル・ブヴァール プロデュース「フランス・オルガン音楽の魅惑」Vol. 1(2021.12.10)
- 決定版!フルートの名曲・名盤 20選(2021.04.06)
- 鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパン「ヨハネ受難曲」@いずみホール(2021.03.10)
コメント