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2009年6月29日 (月)

佐渡裕プロデュース オペラ「カルメン」

兵庫県立芸術文化センターで佐渡裕さん指揮によるオペラ「カルメン」を観劇。

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以前、兵庫芸文で観たオペラの感想は下記。

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カルメンTシャツも売られていた。

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今回は兵庫・東京・愛知と3都市を結ぶプロダクションになっていて、計15公演がおこなわれる。兵庫では後5公演あるが、もう既にチケットは全日完売しているようだ。ちなみに兵庫芸文・大ホールは2001席のキャパである。

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現在発売中の「音楽の友」誌に在阪4オーケストラの事務局長の座談会が掲載されている。その中でも兵庫芸文のことが話題として取り上げられ、「兵庫はなぜ成功したのか?」について嫉妬と羨望を交えて色々と議論されている。まあ僕に言わせれば、そもそも大阪に4つもオケがあること自体が誤り(税金の無駄遣い)の元凶なのだが。→「大阪センチュリー交響楽団補助金、府民の5割以上が削減や廃止を求める」(6月27日、読売新聞)

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さて、「カルメン」である。今回はダブル・キャストが組まれていたが、カルメン:ステラ・グリゴリアン等、メイン・キャストが外国勢の方ではなく、ほぼ日本人で固められた日に鑑賞した。

兎に角ドン・ホセを演じたテノール・佐野成宏さん。その輝かしい美声はあたかも《黄金のトランペット》の如し!

メゾ・ソプラノの林美智子さんは声量が乏しくカルメンとしては迫力に欠け少々物足りないが、容姿が可愛らしい人なのでビジュアル的には悪くなかった。

佐渡裕さんは速めのテンポで情熱的な指揮ぶりで、とても良かった。何よりこのオペラに似合っていた。

兵庫芸術文化センター管弦楽団は相変わらずホルンがお粗末だが、全体としてはなかなか健闘していた。今回はオペラの伴奏なので、この程度で十分だろう。

特筆すべきは演出(パリ・オペラ座総裁を務めたこともあるジャン=ルイ・マルティノーティ)と美術(オーストリアの舞台デザイナー、ハンス・シャヴェルノホ)の充実振り。舞台装置はシンプルでありながら洗練されており、だからといって抽象的ではなく非常に分かりやすい。装置が回転することにより、あるときはセビーリアのタバコ工場外壁となり、また終幕では闘牛場に早変わりする。それも闘牛場外の広場のように見せかけて、実はカルメンを刺し殺すドン・ホセが牛と闘牛士の関係の如く錯覚されるよう描かれる(どちらが内でどちらが外か?)

要所要所で鏡や映像が効果的に使われ、第1幕への前奏曲最後の《運命の動機》では、ホセが絞首刑になる場面が描かれる(椅子上で首を締め付けられるスペイン式)演出も斬新で面白かった。オペラというのは基本的に棒立ち状態で歌うことが多いのだが、第2幕・酒場の場面では踊りがふんだんに盛り込まれ動く、動く!まるでミュージカルみたいだ。このプロダクションは世界でも1,2を争う完成度の高さではなかろうか?必見。

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来年はいよいよレナード・バーンスタイン/ミュージカル「キャンディード」(2006年パリ・シャトレ座版)。これも今から愉しみである。

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コメント

レポートありがとうございますheart04
東京公演は、いよいよ再来週~ですlovely

来年は、カーセンのキャンディード!!ですか~。
ワクワクしますね(≧∇≦)

投稿: operaview | 2009年7月 4日 (土) 22時36分

operaviewさん、コメントありがとうございます。兎に角、今回の「カルメン」は演出と舞台装置が最強です。是非愉しんで下さい!それと来年の「キャンディード」ですが、Bunkamuraオーチャードホールでの東京公演もあります。日程は2010年8月6日(金)-8日(日)だそうです。

投稿: 雅哉 | 2009年7月 4日 (土) 23時19分

聴きました、カルメン・・3日(金)公演の外人キャストの方です。オペラは人生初鑑賞なので声楽に疎いですが、充分に楽しめました。全体的に緩急のメリハリ利いてて佐渡さんらしいのでは。このオケ、設立当初より格段に上手くなったと思います。
2幕の本当に初めのほうでジプシーの踊りがあるのでのですが、最初は原曲通りで、リピート(アンコール用?にオケだけ爆演)するのは驚きました。リピートでトロンボーンの合いの手の旋律をアレンジしていた?ような気がしました・・これが演出ならスゴイ・・原曲は2回繰り返し?なのか知りませんが・・兎に角興奮して帰途しました。o(*^▽^*)o

投稿: せいちゃん | 2009年7月 5日 (日) 00時29分

第2幕のシャンソン(ジプシーの歌)がアレンジを施して繰り返されるのは、勿論原曲にはなく、この公演独自の演出です。この創意工夫も意表を突いて面白かったですね!

投稿: 雅哉 | 2009年7月 5日 (日) 10時47分

>第2幕のシャンソン(ジプシーの歌)がアレンジを施して繰り返されるのは、勿論原曲にはなく、この公演独自の演出です。
↑そうですか!やはりツボを得ていますね♪~
リピートの時は金管がカルメンの歌唱を奏していたと思います。このリピート演奏終了後に、私(と数人)、思わず拍手してしまいました。粋な演出だったと思います。

投稿: せいちゃん | 2009年7月 5日 (日) 15時41分

こんばんは。Odetteです。
今回の『カルメン』は諸事情によりパスしたのですが、後で後悔することになるかどうか…。外国人キャストによる初日を鑑賞した某クリティックはかなり辛辣でした(毎日新聞に公演評)。
来年は『キャンディード』なんですね!レニー直伝の佐渡さんですから、今から楽しみです。

投稿: Odette | 2009年7月 5日 (日) 19時02分

Odetteさん、「カルメン」日本人キャスト版をNHKが収録していたそうなので、いずれBSで見られるでしょう。何度も書きますが演出と舞台装置は超一級品です。お見逃しなく。大体、評論家が正しいとは限りません。日本では音楽の専門教育を受けた人さえ少ないのが現実です。自分の目と耳で確かめることが、一番大切なことではないでしょうか?

それから12月にはマリンスキー・バレエの「白鳥の湖」を観に行きます!またレポ書きますね。

投稿: 雅哉 | 2009年7月 5日 (日) 19時27分

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