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2009年6月28日 (日)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

評価:B+

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今回、前作(A-)より評価を少々落としたのは、挿入歌「今日の日はさようなら」と「翼をください」の使い方である。わざと場面との違和感を醸し出そうという演出上の戦略なのだろうが、僕は余り相応しいものとは想わなかった。

しかしまあそんなことは些事であり、この作品が途轍もないハイ・クオリティのアニメーションであるということは疑いようのない事実である。第一作目はアメリカでの公開も決まったし、ぜひ日本の実力を世界に知らしむべく大暴れしてもらいたい。

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「序」はテレビ版の第1話から6話までを踏襲したものだったが、この「破」では大きく逸脱していく。ほぼオリジナル作品といっても良いだろう。いきなり冒頭から新キャラ《真希波・マリ・イラストリアス》が大活躍するのには度肝を抜かれた。公開前に発表されたイラストを見た時点ではどうかと想ったが、実際に動画で接してみるとなかなか悪くない。このマリや、アスカ、レイ、ミサトら女性キャラのセクシー・ショットが「サービス、サービスゥ!」されているのも、男性ファンにとっては嬉しい限りである。 

新劇場版、最大の特徴はCGとセル画の融合だろう。これは例えば押井守監督の「攻殻機動隊 2.0」とか「スカイ・クロラ」ではお世辞にもうまくいっていると言えなかったが、本作では全く違和感がない。映像が緻密でより一層美しくなり、圧巻である。

あとテレビ・シリーズと大きく変わったと感じるのはキャラクター設定。碇シンジはウジウジした内向きの少年でしかなかったのに、今回は積極的に人と関わり、「生きよう」としている。それは父親の碇ゲンドウや綾波レイ、式波・アスカ・ラングレーも同様であり、不器用ながらも一生懸命他者と心を通わせようとしている。だから全体として、(脚本・総監督)庵野秀明が人間を見る目が優しくなったなぁと感じられるのだ。そこに彼の作家としての成熟を見るのは、決して僕だけではあるまい。

ところで僕が一番お気に入りのキャラはアスカなのだけれど、次回予告で左目に眼帯をしていたのには些かショックを受けた……。

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