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2009年5月23日 (土)

中野振一郎×高田泰治/チェンバロ対決!@大阪倶楽部

大阪倶楽部で開催された日本テレマン協会のマンスリーコンサートを聴いた。

日本を代表するチェンバリスト・中野振一郎先生と、その高弟である高田泰治さんによる共演がメインのプログラムであった。高田さんは現在、ドイツが誇る鍵盤奏者クリスティーネ・ショルンスハイム(チェンバロおよびフォルテピアノ)のもとで研鑽を積んでいる。

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曲目は、

  • J.S.バッハ/2台のチェンバロの為の協奏曲 ハ長調
  • C.P.E.バッハ/チェンバロ協奏曲 イ長調 (中野 独奏)
  • J.S.バッハ/2台のチェンバロの為の協奏曲 ハ短調
  • C.P.E.バッハ/2台のチェンバロの為の協奏曲 へ長調

カール・フィリップ・エマヌエル(C.P.E.)は大バッハ(J.S)の二男。C.P.E.26歳の時に作曲された「2台のチェンバロの為の協奏曲」はまだ父親寄りの楽想だが、39歳の時に書かれた「チェンバロ協奏曲」は気まぐれで、移ろう感情が音楽に描かれている。バロック時代と決別し、古典派へ突き進もうとする明確な意思がそこには感じられる。つまり、この曲は後のハイドンやベートーヴェンに直接繋がっているのである。特に第2楽章は余りにベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」の葬送行進曲を想い起こさせるので驚いた。

研ぎ澄まされたタッチで畳み掛け、攻めの姿勢を崩さない中野先生に対し、あくまで泰然として微動だにせず、インテンポで弾き通す高田さんのチェンバロは気品に満ちて響く。ふたりの資質の違いがケミストリー(化学反応)を喚起し、スリリングかつエキサイティングな演奏となった。延原武春/テレマン・アンサンブル(ガット弦を張ったバロック楽器使用)も好サポート。アンコールは中野先生が2台のチェンバロ用に《バッハ風》編曲を施したヴィヴァルディ/「調和の霊感」~2つのヴァイオリンの為の協奏曲 第1楽章。聴き応えたっぷりで、大満足のコンサートであった。

先日僕は高田さんの弾く「ゴルトベルク」を同じ大阪倶楽部で聴いた。

この時の演奏について、寺西 肇さんは今回のプログラム・ノートに次のように書かれている。

中野とは対照的に、あらゆる感情を削ぎ落としたモノクロームのゴルトベルク感を披露し、聴衆を驚かせた。

巧いこと表現するなぁ!正にその通り。ふたりは全く異なるタイプのチェンバリストなのだ。だからその組み合わせがすこぶる面白い。このデュオの今後の動向から、目が離せない。

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