GWは落語漬け(かい枝、鶴瓶、文珍)
5/4 《桂かい枝のレイトショー落語会》@天満天神繁昌亭(21時45分開演)。
- 桂かい枝/野ざらし
- 桂梅團治/千早振る
- 桂かい枝/宿屋仇
今年で入門15年目のかい枝さんには、大ネタ「宿屋仇」はまだまだ荷が勝ちすぎる噺ではなかったか、という印象を受けた。彼のオーバー・アクションは「いらち俥」「野ざらし」など短いネタなら爆笑を巻き起こすのだが、同じ方法論(小細工)が「宿屋仇」には通用しないのだ。落語という芸能の難しさを感じた。
「野ざらし」はかい枝さんが梅団治さんから稽古をつけて貰ったネタだそうで、文太(文枝一門)→昇蝶(春團治一門)→梅團治(春團治一門)→かい枝(文枝一門)という経由で伝授さらたそうだ。ちょっと不思議なのは、どうして同門の文太さんから直接稽古を受けなかったのだろう?ということ。
5/5 《GW特別興業》@天満天神繁昌亭 朝席(11時開演)
- 桂阿か枝/子ほめ
- 林家花丸/狸の鯉
- 桂楽珍/青菜(途中まで)
- ナオユキ/漫談
- 桂 米輔/悋気の独楽
- 藤本健太郎/津軽三味線
- 月亭八天/おごろもち盗人
- 笑福亭鶴瓶/オールウェイズお母ちゃんの笑顔(私落語)
ナオユキさんの漫談と花丸さんが面白かった。それから初めて聴いた津軽三味線が迫力があって良かった。しかし、米輔さんの語り口はどうも好きになれない。ムラがあって歯切れが悪いのだ。
楽珍さんは繁昌亭のアンケートに書いてあったという、洒落た川柳を披露された。
出来るなら 早送りしたい この落語
引き続き難波に移動し、《笑福亭鶴瓶の会》@トリイホール(15時開演)。
これは完全な鶴瓶さんの独演会で、演目は
- オールウェイズお母ちゃんの笑顔(私落語)
- 子は鎹(古典)
- 鶴瓶噺(漫談、Stand up comedy)
「こどもの日」ということで、鶴瓶さんの幼少期の想い出に溢れた私落語と子供が登場する古典「子は鎹」、そして鶴瓶噺では大学時代に奥さんとの出会いから結婚までを面白可笑しく語るという巧みな構成。実に聴き応えがあり、最後はスライドで当時の貴重な写真の数々を見ることも出来て大満足。これを通じて、どうして師匠である笑福亭松鶴が鶴瓶さんに落語を一つも教えなかったのか、その理由が少し分かったような気がした。
5/6 《桂文珍独演会》@神戸文化ホール
- 林家市楼/普請ほめ
- 桂 文珍/天王寺詣り
- 桂 楽珍/手水廻し
- 桂 文珍/はてなの茶碗
- 桂 文珍/新版・粗忽長屋
いや〜文珍さんは真の名人である。三席ともその巧さに唸った。マクラにさり気なく時事ネタを盛り込む手腕も鮮やか。
「はてなの茶碗」では関白鷹司公が登場する件(くだり)で、雅楽が響くという演出に驚かされた。「粗忽長屋」リニューアル版は古典そのもののような風格、完成度を誇りながら何とも言えぬ可笑しみがあって秀逸。
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