月亭遊方のゴキゲン落語会 (5/25)
ワッハ上方4階・小演芸場で月亭遊方さんの落語会を聴いた。前回の感想はこちら。
- 月亭遊方/幕開前戯噺(Stand Up Talk)
- 桂 雀喜/ポイントカード(雀喜 作)
- 月亭遊方/老婆の宝くじ(遊方 作)
- 月亭遊方/天狗の恩返し(金山敏治 作)
今回は「お金」特集ということで、雀喜さんの出囃子に遊方さんが選んだ曲はABBAの"Money,Money,Money"。ただ雀喜さんの創作落語の出来は「並」。特に語るべきことはない。
遊方さんは登場した時からハイ・テンションで絶好調!なんかもう、神がかった高座だった。
「老婆の宝くじ」は2004年の作品。桂あやめさんらが審査員を務めた落語の台本コンテストにおいて入選はしなかったものの、アイディアが面白いということで、遊方さんが作者の許可を得て全面的に改作したもの。現代版「高津の富」+プチ「芝浜」といった感じ。兎に角、1等が当選した時の老婆、息子夫婦、孫ふたり各々のリアクション(顔芸)が最高!笑い過ぎて窒息しそうになった。長いこと寝かせていて、今回久しぶりに引っ張り出してきて工夫を加えたネタだそうだが、これはけだし傑作である。
考えてみたら上方落語には狸や狐が登場する噺は沢山あるが、天狗は「天狗裁き」くらいしかないのではないだろうか?「天狗さし」という噺もあるが、これには本物(?)の天狗は登場しないようである。「天狗の恩返し」は第1回上方落語台本大賞優秀賞受賞作。さすがに出来が良い。目にしたこともない大金を制限時間内に使いきろうとする男の涙ぐましい努力が笑いを誘う。そこには人間の哀しい性(さが)が垣間見られ、ちょっと胸がキュンとする。サゲも見事にストンと落ちる。
落語会は午後7時30分から始まり、9時30分までには撤収しなければならない。遊方さんは後半時間がなくて相当焦っていたが、それが却ってテンポの良さに繋がり、演者と観客は小さな奇跡を共有する幸運に恵まれた。
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