« 吉野の山桜を訪ねて 2009 | トップページ | きん枝のがっぷり寄席&繁昌亭らいぶシリーズ II »

映画「ヤッターマン」

評価:B+

実写ではあるが"漫画映画"の悦楽、ワクワク感に溢れた傑作。それは同時に、"作り物"の面白さにも繋がっている。オモチャ箱をひっくり返したような賑やかさが何とも愉しい!

DoronjoYatterman2

櫻井 翔、福田沙紀 主演。映画公式サイトはこちら

1977年から放送された、タツノコプロ製作のテレビ・アニメを僕は一度も見たことがない。「ブタもおだてりゃ木に登る」の語源がこの作品であることも全く知らなかった(古くからある故事だと信じていた)。しかし予備知識がなくとも何の不都合もなかった。

巷ではドロンジョを演じたセクシーな深キョン(深田恭子)のことで話題沸騰である。彼女は勿論良かったが、ボヤッキーを演じた生瀬勝久、海江田博士役の阿部サダヲ(劇団大人計画)ら脇役が生き生きと描かれており、各々のキャラが立っているのが素晴らしい。

実写とCGの融合もお見事。全く違和感がない。三池崇史監督の手腕は確かである。山崎 貴監督(ALWAYS 三丁目の夕日)が撮った「Returner/リターナー」(2002)の頃はこの両者の共存が上手くいっておらず、日本のCG技術に対して絶望的な気持ちを抱いたものだが、隔世の感がある。

映画「ヤッターマン」は全国週末興行成績ランキングで4週連続第1位を独走する快挙を成し遂げた。一方、ハリウッドで実写映画化された「DRAGONBALL EVOLUTION」は初登場3位と、なんとか面目を保ったものの(ただし通常より1日早い金曜日から上映し、その動員を加算するという姑息なトリックを使っている)、上映2週目で第8位、3週目で第11位とあっと言う間に滑り落ちていった。「マッハGoGoGo」をハリウッドで実写映画化した「スピード・レーサー」(監督は「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟)もこけた。最早日本人には日本の漫画やアニメがハリウッドで映画化されたからといって、ありがたいという心情が全くないのではないだろうか?今年、「おくりびと」や「つみきのいえ」が米アカデミー賞を受賞したことでも分かる通り、漸く日本人も自分たちの生み出す文化(漫画、アニメ、映画、etc.)に自信と誇りを持てるようになったのではないかと僕は考える。

Japan As No.1!……そう、胸を張って言おうではないか。

|
|

« 吉野の山桜を訪ねて 2009 | トップページ | きん枝のがっぷり寄席&繁昌亭らいぶシリーズ II »

Cinema Paradiso」カテゴリの記事

コメント

DRAGON BALLについては、見ていませんが、劇場で流れる予告編の冒頭で、原作の鳥山明氏のコメントが映し出されてましたが、なんとも微妙な書き方をされていましたね。作品をけなすわけにもいかず・・・。

私も、正直言って話題になっていたことと暇つぶし的に「ヤッターマン」を見たのですが、オリジナルアニメの世界は壊さず、CGが見事に使いこなされて、一級のエンターテインメント作品に仕上がっていたことに驚きました。

かつての日本の映画は、そういうところが弱かったのか、アニメ映画は評価されるものの、実写映画に関してはエンターテインメント大作は望めないという感覚でしたが、いまや負けていませんね。

外国語吹き替え版にしてしまえば、このまま海外へ輸出することも可能ではないかと。意外と、向こうの「アニメオタク」の人たちに受けるかもしれません。

個人的には悪役のほうにキャラがきちんと立っていたかなと。生瀬勝久などは、アニメ版のボヤッキーのまんまという感じでした。さすがです。主役の二人のほうが少しキャラ的に弱かったのが残念といえば残念でした。

投稿: ぽんぽこやま | 2009年4月11日 (土) 09時04分

ぽんぽこやまさんの仰る通り、「ヤッターマン」は吹き替え版を世界に持って行くべきですね。カルト的人気作となるでしょう。

「DRAGONBALL EVOLUTION」は、今週末から北米でも公開です(wide release)。是非ゴールデンラズベリー(ラジー)賞に向かって、猪突猛進して欲しいものです。

投稿: 雅哉 | 2009年4月11日 (土) 18時17分

そういえば、最近に始まったことではなく、「ゴジラ」もハリウッド版は黒歴史でしたね。豪華スターを起用したのに見事にこけました。

アニメとか特撮のジャンルでは、日本に一日の長があるのかなと思ったりします。

オリジナルの世界を尊重してその世界を忠実に実写版化しようとする日本と、センセーショナルな場面をクローズアップしてオリジナルとは似て非なるものを作ってしまうハリウッド。

いまや「オタク」が英語として通用する時代、外国のアニメファンも目が肥えていますから「ヤッターマン」のような実写版のほうが歓迎されるでしょうね。仰るとおり、カルト的な人気を得る可能性がありますよね。

アニメ版よろしく「来週の予告」まで最後に出てきましたけど、見たいなあ、続編。

投稿: ぽんぽこやま | 2009年4月12日 (日) 14時20分

ネイサン・レインとマシュー・ブロデリックがトニー賞の司会をした(多分「プロデューサーズ」が独占した)年、ハリウッド版「ゴジラ」に出演したマシューのことをネイサンがジョークにして、散々からかっていました。

「ドラゴンボール」に似たケースとして今年10月に公開されるのが、ハリウッド版「鉄腕アトム」です。こちらはフルCGアニメ。まあ、予告編を見た限りでは……です。

投稿: 雅哉 | 2009年4月13日 (月) 00時21分

ドラゴンボール、アメリカでも最悪の出だしらしいですね。初登場8位と、100億もかけた大作なのに。

日本での悪評を受けて、批評家や記者向けの試写会も行わなかったとか・・・らしいです。

投稿: ぽんぽこやま | 2009年4月13日 (月) 17時15分

>ドラゴンボール、アメリカでも最悪の出だしらしいですね。

「ざまあみろ」ですね。アトムもきっと駄目でしょう。

投稿: 雅哉 | 2009年4月13日 (月) 23時21分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/212850/44623628

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ヤッターマン」:

« 吉野の山桜を訪ねて 2009 | トップページ | きん枝のがっぷり寄席&繁昌亭らいぶシリーズ II »