赤壁 決戦天下/レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-
評価:B+
映画公式サイトはこちら。ジョン・ウー(監督)の美意識が画面の隅々まで行き渡った渾身の傑作。アクション(合戦)シーンのスケールの大きさは空前絶後。《ライフ・ワーク》と呼ぶに相応しい仕上がりとなっている。CGにもお金が掛かっており、安っぽさや違和感はない。
金城武が爽やかに孔明を演じ、当にはまり役。また小喬を演じた林志玲(リン・チーリン)は本当に綺麗だ。
前作のレビューは下記。Part IIの冒頭で人物関係やあらすじの紹介があるので、混乱することはないだろう。
前にも書いたが岩代太郎の音楽がとにかく素晴らしい!打楽器を前面に押し出したそのアプローチはつい先日亡くなったモーリス・ジャール(「アラビアのロレンス」「パリは燃えているか?」「ドクトル・ジバゴ」)を彷彿とさせる。琴の掛け合いも迫力がある。
今回改めて、ジョン・ウーのスローモーションの使い方の巧さに唸った。マントや旗がゆっくりと翻る時の、なんという格好良さ!周瑜(トニー・レオン)の《剣の舞》もスタイリッシュな映像で美しかった。スローモーションが使用されるのは僅か数秒。1カットで5秒以上続くことは決してない。《スロー → 通常スピード → スロー》とカット割りを交互に繰り返すことで、編集にリズムをつけているのである。
結局物語の最後で劉備・孫権の連合軍は勝利を収めるのだが、後には空しさが残るというのも諸行無常の余韻があって良い。ただ、ヴィッキー・チャオ演じる尚香(孫権の妹)と敵の兵士との悲恋のエピソードは無くもがなで、些かダレた。
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