笑福亭たまの実験落語会"NIGHT HEAD"~第2章@コモンカフェ(4/13)
大阪・中崎町にあるcommon cafe(コモンカフェ)で笑福亭たまさんの落語会を聴く。夜7時30分開演。生三味線も入り、お代は2,000円。
聴衆の男女比は1対2くらい。1人で来ている20~30代の女性が多い。
- 笑福亭たま/新作ショート落語
- 笑福亭たま/牛ほめ
- 旭堂 南青/太閤の風流(講談)
- 笑福亭たま/遊山船
- 笑福亭松五/応挙の幽霊
- 笑福亭たま/人間国宝(たま 作、初演)
まず最初に、(たまさん曰く)「《SR》ぽいショート落語」も2つ披露された。《SR》のことは当ブログでも何度か取り上げたが、故・桂枝雀さんが編み出したもので《Short Rakugo》と《SF Rakugo》を掛け合わせた名称。枝雀さんは落語の本質は「緊張の緩和」であると説いたが、《SR》の場合はサゲの後でも緊張が残る(緩和されない)のが特徴である、といった旨の解説がたまさんからあった。
たまさんの「遊山船」は、舞妓が南京豆を振袖に入れたら食べにくいだろうと言う喜六に対して、清八が「そんなん、入れへん」「違うがな、ひょっと入れたらや」「入れへん」「入れたらや!!」という会話の繰り返しがなんとも愉しい。心地よいリズム感がある。
「応挙の幽霊」は比較的珍しい噺。松五さんは林家染丸 師匠から稽古を受けたそう。この幽霊の実際の画像が見られるサイトを発見→こちら!確かに噺に出てくる通り中々の美女である。
たまさんの新作は、文楽の人形遣いが人間国宝に選定されるが、なんと認定書交付式の当日に死んでしまう。生きていてこその人間国宝。そこで、おかみさんが弟子たちに指示したのは……という噺。古典落語「らくだ」で死人に《かんかんのう》を踊らせる場面をベースにしながら、発想の転換、物語を構成するセンスが抜群。やっぱりたまさんの創作は心底面白い。ただ刈り込んだためか、あっと言う間に終わってしまったのがちょっと物足りなかったかな。さらに練って膨らませば、もっともっと面白くなるだろう。この噺がこれからどう育っていくのか、大いに愉しみである。
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