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2009年3月 5日 (木)

007/慰めの報酬

評価:C-

007

映画公式サイトはこちら

「慰めの報酬」は「カジノ・ロワイヤル」ラスト・シーンの1時間後から物語は始まる。だから前作を観ていないと、話の展開に付いていくのが難しいかも知れない。

ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドは非常に乱暴な肉体派である。敵を尋問もせず直ぐ殺してしまうのは如何なものか?ピアース・ブロスナン時代のボンドはもっとユーモアがあって洗練されていた。現ボンドは「ダイハード」の主人公ジョン・マクレーンみたいだ。全身傷だらけなのも似ている。つまりこういうアクションを描きたいのなら、007シリーズである必然性がない。

それでもシナリオの出来が良いので「カジノ・ロワイヤル」は愉しめた。しかしこの続編の質はかなり落ちる。監督は前作のマーティン・キャンベルからマーク・フォースターに交代した。フォースターの映画は「チョコレート」「ネバーランド」を観ているが、今まで彼の才気を感じたことは一瞬たりともない。極めて凡庸な監督である。「慰めの報酬」もアクション演出の稚拙さが目立つ。カット割りが細かく、そのくせアップの映像が多いので「いま撮されている肉体はボンドなのか、それとも敵なのか?」さえ判別がつかない。カーチェイスも2台の車のうちボンドがどちらを運転しているのか、さっぱり分からないまま終わってしまう。

格闘シーンとプッチーニの歌劇「トスカ」をフラッシュバックする演出はフランシス・フォード・コッポラの「ゴッドファーザー PART III」の暗殺シーンそっくりだった。フォースターの略歴を調べてみると12歳の時スイスの映画館でコッポラの「地獄の黙示録」を観たのが映画初体験で、それで熱中し映画監督を志したとか。でもだからって真似するなよ!

新しいボンド・ガール、オルガ・キュリレンコ(ウクライナ出身)はなかなかセクシーで良かった。

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コメント

まさにおっしゃるとおり!
全く同じことをこの映画を見た帰りの車内でダンナと話していました。
あんまりにも同意見なので、ちょっとびっくりしてしまいましたw(゚o゚)w

投稿: にょっち | 2009年3月 8日 (日) 11時59分

にょっちさん、コメントありがとうございます。

これからも宜しく、お願いいたします。

投稿: 雅哉 | 2009年3月 8日 (日) 18時46分

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