大阪市音楽団/発見!吹奏楽の宝島
大阪府立青少年会館で開催された大阪市音楽団/第35回青少年コンサートを聴いた。入場無料。応募方法はインターネットおよび往復はがきによる抽選だった。
指揮をされたのは岡山県倉敷市出身の中井章徳さん。今月は大阪フィルハーモニー交響楽団の指揮台に立ち、「にしなりクラシック」や、大フィルが中学生と共演する「はじめましてオーケストラ」等の指揮もされている。
曲目は、
- 大学祝典序曲(ブラームス/高橋徹 編)
- I Will...~ウィンドアンサンブルのための~(清水大輔)
- アルメニアン・ファイアー・ダンス(G.リチャーズ)
- トッカータとフーガ(J.S.バッハ/藤田玄播 編)
- 行進曲「星条旗よ永遠なれ」(スーザ)
- 行進曲「ナイルの守り」(アルフォード)
- ミッキー・マウス・マーチ(J.ドット)
- 煙が目に滲みる(J.カーン)アルトSax独奏
- トランペット吹きの休日(L.アンダーソン)Tp三重奏
- ユー・レイズ・ミー・アップ(R.ラヴランド)ユーフォニアム独奏
- 宝島(和泉宏隆/真島俊夫 編)
アンコールは、
- 主よ、人の望みよ喜びよ(J.S.バッハ/A.リード 編)
- 行進曲「アルセナール」(J.ヴァンデルロースト)
クラシックの編曲あり、JAZZやT-スクェアのフュージョン(宝島)あり、吹奏楽のオリジナル/マーチもありと盛りだくさんの内容でお腹一杯。
特にアルトSaxをフィーチャーした「宝島」が格好よかった!淀工の十八番、「カーペンターズ・フォーエバー」でお馴染みの真島俊夫さんによる卓越したアレンジが冴え渡る。
「大学祝典序曲」は昨年秋に楽譜が出版されたばかりのニュー・アレンジとのこと。なかなか巧みに原曲の持ち味を生かしている。
昨年、なにわ《オーケストラル》ウィンズの為に「夢のような庭」を作曲された清水さんの曲は航空自衛隊中部航空音楽隊の委嘱により書かれ2005年に初演されたもの。トランペット・ソロのある非常に静謐な音楽で、コープランド/「クワイエット・シティ」とかジョン・ウィリアムズ/「JFK」、「プライベート・ライアン」などを連想させる雰囲気がある。
「アルメニアン・ファイアー・ダンス」は元々金管バンドの為に書かれた曲だそうで、狂騒的テンポで駆け抜ける様は、まるでファンファーレ・チォカリーアみたいだった。
「ミッキー・マウス・マーチ」はアレンジが楽器紹介にもなっており、主旋律をピッコロ→フルート→オーボエといった調子で歌い継ぐ。途中、サキソフォン四重奏も登場した。とても愉しい。
会場には先生に引率された中学生たちが沢山詰め掛けていた。最後に中井さんが「アルセナール」をしますとアナウンスすると、「ヒャー!」と女子生徒たちから悲鳴のような歓声が上がった。
僕はもう、この曲を聴くと瞬間的に滝二の颯爽とマーチングする雄姿が瞼に蘇る。
嗚呼、吹奏楽の熱い季節が再び巡ってきた!そういう想いを胸に帰宅の途に就いたのであった。
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