桂文太/田辺寄席 弥生席
田辺寄席に足を向けた。
3/21(土)夜席
- 桂佐ん吉/犬の目
- 桂都んぼ/真田小僧
- 桂 文太/饅頭こわい
- 月亭遊方/オオサカ・シネマロケンロール(遊方 作)
- 桂 米輔/抜け雀
3/22(日)昼席
- 桂 三幸/道しるべ(噺家・講談師ユニット「セブンエイト」作)
- 桂 文鹿/浮世床
- 桂 文太/天神山
- 桂枝曾丸/(和歌山弁落語)同窓会
- 桂 枝光/井戸の茶碗
文太さんが「開口0番」でよくされるのが、《落語を愉しく聴くための、あいうえお》。
- あくびをしない
- いねむりしない
- うろうろしない
- えがおで聴く
- おならをしない
といった調子。今回は田辺寄席世話人の息子さんの結婚式に出席されたことを語られた後、《夫婦仲良くするための、たちつてと》を披露された。
- たなべ寄席を見に来る(しかし、決して手伝わない)
- ちからを合わせる
- つきあいは悪くなっていい(誘われても3回に1回は断る)
- てきとうな距離を保つ
- ときどき手を握る
う~ん、なかなか含蓄がある。
さて、土曜日夜席は小学生落語家・りんりん亭りん吉さん(昨年、アマチュア演芸コンテストでワッハ上方大賞金賞を受賞)が聴きに来ていた。
遊方さんは今まで4本の映画に出演されたそうで、それが全部ヤクザの子分役。「極道の妻たち」シリーズに出た時の役名は"子分F"だったとか。そして今までで一番大きな役だったのがVシネマ「売春暴力団」(1997、永島敏行 主演)……と、ここまで話したところで客席のりん吉さんと目が合った。焦った遊方さん、「アッ、しまった!小学生には不適切な内容でした。ここまではカットね」とフィルムをハサミで切る仕草。非常に愉快なマクラだった。
文太さんの「饅頭こわい」は饅頭各々の食べ方がとても美味しそうで、名人芸を堪能。部屋に投げ込まれる饅頭の中に《551蓬莱》の豚まんが混じっているというギャグが秀逸だった。
枝曾丸さんの「同窓会」は文福さんのネタとお題目が同じだが、中身は全く異なるもの。
枝光さんは本当に《一生懸命のお喋り》で、躍動感のある大熱演。いやはや、面白かった!
僕は文太さんの師匠、故・桂文枝が十八番としていた「天神山」という噺がとても好きだ。特に終盤、狐の女房が安兵衛との間に生まれた子どもを置いて山に還っていく時に書き残す歌
恋しくば 訪ね来てみよ 南なる 天神山の 森の中まで
が切なくて良い。何度聴いても味わい深い名作である。
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