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2009年3月15日 (日)

高田泰治の弾く、J.S.バッハ/ゴルトベルク変奏曲

大阪倶楽部であった高田泰治さんのチェンバロ・リサイタルに足を向けた。

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僕が過去、高田さんを聴いた時の感想は下記。

今回、使用された楽器は1730年製フレンチモデルの2段鍵盤チェンバロ「ブランシェ」。演奏されたのはJ.S.バッハ渾身の大作、ゴルトベルク変奏曲。そう、「羊たちの沈黙」の主人公ハンニバル・レクター博士の愛聴曲である。ただし、彼が好きなのはグレン・グ−ルドが弾くピアノ版だが。また、細田守 監督の傑作アニメーション「時をかける少女」ではこのゴルトベルクの第1変奏が非常に効果的に使われていた(新作「サマーウォーズ」が待ち遠しい!)

高田さんは的確なテクニックを持った将来有望なソリストである。現在も定期的にドイツに赴き、フォルテピアノ&チェンバロをミュンヘン音楽大学のクリスティーネ・ショルンスハイムに師事している。ショルンスハイムはフォルテピアノの第一人者、アンドレアス・シュタイアーの弟子であり、つまり高田さんはその孫弟子ということになる。

高田さんのバッハが素晴らしいのは、曲中でテンポが決して揺れないことである。その点が、難所に来るとテンポが落ちるトン・コープマンとの違いである。感情的に緩急が変化しても良いのはロマン派以降の話であって、絶対音楽であるバッハに人間的感傷は不要である。

弾き方は淡々としているが均整のとれた美しさがあり、真っ直ぐに、さらなる高みへと昇り続ける端正なバッハの姿がそこにはあった。

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