« フィッシュストーリー | トップページ | とりそめ(林家染二25周年)さあ、カイシ(かい枝)で〜す! »

2009年3月29日 (日)

教会音楽シリーズ/G.Ph.テレマン本邦初演(4曲)

兵庫県西宮市、阪急線の夙川(しゅくがわ)駅近くにあるカトリック夙川教会にて日本テレマン協会(創立45周年)の教会音楽シリーズを聴いた。

20090327194121_edited

今回は指揮者・延原武春さんが、「ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章」を受賞された記念演奏会となった。これは長年にわたるテレマンやバッハ等の演奏活動、そして昨年のピリオド(古)楽器によるベートーベン交響曲全曲演奏(本邦初)の功績が高く評価されたもの。日本人指揮者として勲章を授与されるのは故・朝比奈隆(大阪フィルハーモニー交響楽団)、鈴木雅明(バッハ・コレギウム・ジャパン)に続いて3人目となる。

会場はびっしり満席。演奏に先立って大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事ゲロルト・アメルリンクさんからお祝いの挨拶もあった。

20090327181610_edited_3

プログラムは全て日本初演となるG.Ph.テレマンの作品で、

  • 3つのトランペットと2つのオーボエのための協奏曲
  • オラトリオ「喜びの声をあげよ、喜び祝い、そして歌え」
  • パストラーレ
  • オラトリオ「解き放たれたユダヤの民」

オラトリオはドイツ語で歌われ、日本語訳がスライドで正面に映し出された。

モダン楽器も弾くテレマン室内管弦楽団だが、今回はバロック(古)楽器による演奏だった。つまり羊の腸をねじって糸状にしたガット弦、トランペットとホルンはピストンのないナチュラル管、フラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)、バロック・ティンパニ等が使用された。

最初の協奏曲は祝祭的雰囲気があって華やか。

パストラーレは弦楽合奏およびチェンバロのみの演奏。のびやかで、文字通り「牧歌的」。ドヴォルザーク、チャイコフスキー、そしてエルガーらによる弦楽セレナードの原点はここにあったのだな頷ける、説得力ある演奏だった。

このプログラム中、僕が一番気に入ったのがオラトリオ「解き放たれたユダヤの民」。モーゼがユダヤの民を率いてエジプトを脱出する「出エジプト記」が描かれるのだが、内容が内容だけに嵐や津波の情景描写もあり、音楽が非常に劇的で面白い。これぞエンターテイメント!

ヘンデルにも同じ題材を描くオラトリオ「エジプトのイスラエル人」という作品があって、有名な「メサイア」よりもこちらの方が断然傑作だと僕は確信しているのだが、「出エジプト記」は(教会に拘束されていた)当時の作曲家にとって最もやり甲斐のある仕事だったのではないだろうか?と、ふとそんなことを想った。

また独唱者およびテレマン室内合唱団が非常に充実した歌唱を聴かせてくれたことも特筆に価する。

なお、来る4月27日(月)に巨匠・有田正広さん(フルート・指揮)が室内合奏団THE STRINGSと共演するオール・モーツァルト・プログラムがこのカトリック夙川教会で開催されるそうである。詳細は→こちら

|
|

« フィッシュストーリー | トップページ | とりそめ(林家染二25周年)さあ、カイシ(かい枝)で〜す! »

古楽の愉しみ」カテゴリの記事

コメント

はじめてコメントさせていただきます。

ご無沙汰しております。テレマン室内合唱団の「おすぎ」です☆
いつもテレマン協会の演奏会にお越しくださりありがとうございます!また早速27日の演奏会のことをご紹介くださりありがとうございました☆

当日は平日の夜、しかも夙川で6時半開演という出かけにくい時間設定、さらに演目がテレマンの初演ものということで、お客様がどれだけお越しくださるかどうかいささか不安でしたが、実際蓋を開けてみればほとんど空席がないくらい多くのお客様にお越しいただくことができ、団員一同大変喜んでおります!

実は何年か前に夙川教会でテレマン作曲の受難曲を本邦初演するシリーズを何回か続けたことがあったのですが、なかなか客席が埋まらず、結局中断せざるを得なくなるということがありました。それだけに今回あれだけのお客様にお越しいただけたことは本当に嬉しいことでした!

テレマンは、大バッハとヘンデルの全作品を合わせてもかなわないくらい(!)数多くの作品を残していますし、当時はその二人よりはるかに有名だったんですが、楽譜が散逸していたり作品目録の整理が進んでいなかったりでまだまだ演奏される機会は多いとは言えません。ただ彼の曲はどの曲もなかなかお洒落で独特の魅力があるんです。
私も今回の器楽曲2曲は初めて聴きましたが、どちらも素敵な曲でしたね。「解き放たれた…」もヘンデルの作品よりはずっと規模が小さいですが、管楽器が実に効果的に使われていますし、魅力的なアリアもあったりしてなかなかやりがいのある作品でした!
また是非お出かけください☆

チェンバロの吉田朋代が今年もリサイタルをさせていただくことになりました。ご案内を送らせていただきますのでお時間が許せば是非お出かけください!

投稿: おすぎ | 2009年3月30日 (月) 14時27分

おすぎ様、コメントありがとうございます。

日本テレマン協会も、集客に苦労された時代があったのですね。しかし、今回はあの大盛況!是非これからも、テレマンの魅力的な作品を私たちにご紹介下さい。足繁く通わせて頂きますので。吉田朋代さんのリサイタルは6/6(土)イシハラホールですね。

投稿: 雅哉 | 2009年3月30日 (月) 22時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/212850/44488795

この記事へのトラックバック一覧です: 教会音楽シリーズ/G.Ph.テレマン本邦初演(4曲):

« フィッシュストーリー | トップページ | とりそめ(林家染二25周年)さあ、カイシ(かい枝)で〜す! »