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淀工&ミ・ベモルサクソフォンアンサンブル/夢の共演!

ミ・ベモルは総勢21名からなるプロのサクソフォン・アンサンブル。「ミ・ベモル」とはミ♭のこと。これは移調楽器であるアルトやバリトン・サックスのドの音に相当する。内訳はソプラノ4、アルト8、テナー4、バリトン4、そして世界的にも珍しいバス・サクソフォン1名。非常にユニークな団体である。サクソフォン奏者の前田昌宏さんがこの団体を結成して今年が20周年。そこで今年創部50周年の大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部とのコラボレーションが八尾プリズムホール(大阪府八尾市)で実現した。なおミ・ベモルのメンバーは、なにわ《オーケストラル》ウィンズにも参加している。

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まずミ・ベモルによる演奏で、

  • モーツァルト/交響曲第25番 第1楽章
  • パッヘルベル/カノン
  • リムスキー=コルサコフ/熊ん蜂の飛行(バリトンサックス・ソロ)
  • ラヴェル/道化師の朝の歌
  • リード/春の猟犬
  • モーツァルト/きらきら星変奏曲

これだけのサックス集団を聴くことは滅多にない貴重な体験であり、音圧・厚みが凄かった。またテクニックが達者な奏者ばかりで、粒が揃っている。

「きらきら星」はミ・ベモル21人に淀工サックス・セクション13名(三年生含む)が加わり、34名の大合奏。これも迫力満点であった。

またミ・ベモルを率いる前田さんのお嬢さんは淀工を卒業されたそうで、「娘が吹奏楽の部活から帰宅すると午前0時を廻っていることはしょっちゅうでした」と。

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次に淀工単独のステージ。ここからは一、二年生だけの演奏。指揮は勿論、丸ちゃんこと丸谷明夫 先生。

  • 20世紀フォックスファンファーレ~カーペンターズ・フォーエバー(短縮版)
  • 翼をください ~バンドと合唱のための~ (宮川彬良 編)
  • お楽しみコーナー
  • ジャパニーズ・グラフティIVより(お嫁においで~サライ

「カーペンターズ・フォーエバー」からいきなり、淀工が全日本マーチングコンテストで演奏するテンポ、4分音符 = 220くらいでかっ飛ばすので腰を抜かした。丸ちゃん絶好調!

お楽しみはまず、客席から募り指揮者体験コーナー。4、5歳くらいの男の子が「ドラえもん」、そして奈良県生駒市立桜ヶ丘小学校6年生の男の子が「世界に一つだけの花」を振った。ちなみに桜ヶ丘小学校ハーモニックバンドクラブは幕張メッセで開催された2008年全日本小学校バンドフェスティバルに関西代表として出場し、見事金賞を受賞している。

そしてお馴染み、ザ・ヒットパレードパラダイス銀河~しあわせなら手をたたこう~三三七拍子~六甲おろし~ヤングマン~We Are The Worldのメドレー。We Are The Worldではホールからの好意で客席全員にサイリウムが配られ、照明が落とされた会場に光の波がうねった。

丸ちゃんは「三年生が抜けて今が底の底です」と謙遜するが、どうしてどうして。オーボエは2008年全日本吹奏楽コンクール自由曲「大阪俗謡による幻想曲」でソロを吹いた男の子がちゃんといるし、今回「カーペンターズ」でソロを吹いたトランペットの生徒だってコンクール・メンバーだ。1月のグリーンコンサートと比べても些かも遜色のないサウンドで、淀工生の層の厚 さに改めて感心した。

第3部は淀工ミ・ベモルのコラボ!

  • 長生淳/優しい歌 (指揮:前田昌宏)
  • リード/アルメニアンダンス・パート I (指揮:丸谷明夫)
  • 星条旗よ永遠なれ(アンコール)
  • 明日があるさ(アンコール)

長生淳さんといえばトルヴェール・カルテット(サクソフォン四重奏)に数々のアレンジを提供していることで有名。そのメンバー・須川展也さんが指揮するヤマハ吹奏楽団から委嘱された作品も作曲している。「優しい歌」は元々、ミ・ベモルとオーケストラのために書かれた曲。今回は第1部と第3部が演奏された。第1部は穏やかな曲調で真に美しい旋律が奏でられ、第3部は一転ジャズ風味でノリノリ。とても良かった。

「アルメニアン・ダンスはもう、50回以上コンサートで取り上げています。この曲を聴きたいから吹奏楽の演奏会に足を運ぶという人が増えたらいいなと考えて演っているのですが、なかなかそうはいきません」と丸ちゃん。

ミ・ベモルとの共演という事で、折角の「アルメニアン・ダンス」がサックスに比重が増えバランスが悪くなるんじゃないかと危惧していたのだが、杞憂に過ぎなかった。情感豊かに歌い、締めるところは締め、一本芯の通った大変な名演。僕が《1000人のアルメニアンダンス》に参加した時、リハーサルで丸ちゃんから言われたことをあれこれ想い出しながら聴いた。曲が終盤Gna, Gna 《行け、行け》にくると、どんどん加速しヒートアップするのも圧巻であった。

この曲や「大阪俗謡」を指揮している時、丸ちゃんはなんと幸せそうな笑顔をすることだろう!本当に「アルメニアン・ダンス」が好きで好きで仕方ないのだなと、見ているこちらまで嬉しくなってくる。

アンコールは2曲とも丸ちゃんの指揮。「星条旗よ永遠なれ」後半はミ・ベモルのメンバーが(ソプラノ・サックスよりさらに音域が高い)ソプラニーノに持ち替え、淀工のピッコロ部隊8名と競演。これも見ものであった。

「明日があるさ」は女子生徒による歌と踊りがあるのだが、なんとここでミ・ベモルのバス・サックス奏者=岩本さんも淀工生に混じって舞台袖から登場。完璧な振り付けで踊られ、会場からやんややんやの拍手喝采を浴びた。

盛り沢山で、実に愉しいコンサートだった。

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