桂三枝/はなしの世界 《大阪レジスタンス》
天満天神繁昌亭で桂三枝さんの創作落語を聴く。
入場すると蓄音機から音楽が流れ、レトロな雰囲気が漂う。スクリーンで昔の大阪の映像を眺めながらの対談もあり、大正時代末期から昭和初期にかけ大阪が"大大阪"(だいおおさか)と呼ばれていた時代に、観客はタイムスリップしてゆくという仕掛け。
- 米揚げ笊(いかき)/三金
- 対談「大阪はええ町でっせ」/古川武志(大阪市史料調査会)×枝三郎
- 大阪レジスタンス/三枝
「大阪レジスタンス」は五部構成。
一、「言語統一令」発令 (この後、中入り)
二、収容所
三、アジト
四、処刑
五、独立記念日
中入りを挟み約一時間半。いやはや、聴き応えのある大作だった。上方落語、大ネタ中の大ネタ「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」に匹敵すると言っても過言ではないだろう。
そして、三枝さんの大阪と大阪弁に対する愛情が、言葉の行間から熱波のように強烈にこちらに伝わってきた。最後、大阪が日本国から独立するというシュールな展開はまるで井上ひさしの小説「吉里吉里人」(きりきりじん)みたいだった。近未来を舞台として、その空間的・時間的スケールの大きさは映画的だとすら感じられた。
考えてみれば三枝さんの創作落語「ゴルフ夜明け前」は既に映画化されている。最近でも立川志の輔の落語「歓喜の歌」が映画になっているという例もあり、この「大阪レジスタンス」についても可能性が十分あるのではないかと想われた。
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