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2009年1月11日 (日)

アスミック・エースにもの申す

ラスベガスに往く道中、飛行機でウディ・アレン監督の最新作「ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ」(出演:スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデムほか)を観た。大変出来の良いコメディで大いに愉しんだ。特に映画中盤に登場するペネロペ・クルスが圧巻!是非彼女にはこれでアカデミー助演女優賞を獲って貰いたい(日本公開は6月なので、詳しいレビューはその頃改めて書こう)。

そして1月9日にこの映画の邦題が決まった。それを聞いて脱力。なんと「それでも恋するバルセロナ」だって!詳細はこちら

まずこのタイミングで急遽邦題が決定したのは間もなくゴールデン・グローブ賞の発表があるからであろう。ペネロペ・クルスが受賞する可能性は高いし、もしかしたら作品賞(ミュージカル/コメディ部門)も獲れるかも知れない。だから新聞報道される時点で邦題を読者に印象づけておこうという宣伝戦略なのであろう。

しかし「それでも恋するバルセロナ」は酷い。全く映画の内容を伝えてはいない。むしろ「ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ」のままで良いではないか!(ヴィッキーとクリスティーナは主人公ふたりの名前である)。興行成績の鍵を握る20-30代女性に媚びを売ろうとする映画宣伝部(配給:アスミック・エース)の意図がありありである。それにしてもタイトルに「愛」だの「恋」だの安易に入れれば、本当に女性客の心を摑みヒットに結びつくのか?

「愛と青春の旅立ち」「愛と哀しみの果て」「愛と喝采の日々」「愛と追憶の日々」「愛は霧のかなたに」「小さな恋のメロディ」「ギター弾きの恋」「恋人たちの予感」「ノッティングヒルの恋人」……全てその原題にLOVEとかLOVERSなどの言葉を含まない映画ばかりである。

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