《いずみシンフォニエッタ大阪》木管奏者たちによる室内楽の魅力
いずみシンフォニエッタ大阪(ISO)などで活躍されているフルート(Fl)奏者、安藤史子さんが企画した室内楽の夕べを聴きに兵庫県立芸術文化センターに往った。小ホール(417席)には約200人の聴衆が集った。
安藤さん以外はオーボエ(Ob):大島弥州夫、クラリネット(Cl):八段悠子、ピアノ(Pf):碇山典子というメンバーだった。大島さんはISOおよびサイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団などに参加されており、八段さんはISOおよび日本フィルハーモニー交響楽団クラリネット奏者。
曲目は、
- アーノルド/ディベルティメント(Fl,Ob,Cl)
- シュミット/ソナチネ(Fl,Cl,Pf)
- ダマーズ/四重奏曲(Fl,Ob,Cl,Pf)
- ドリング/トリオ(Fl,Ob,Pf)
- サン=サーンス/タランテラ(Fl,Cl,Pf)
- サン=サーンス/デンマークとロシアにの歌による奇想曲(Fl,Ob,Cl,Pf)
実力者揃いで大変聴き応えのある演奏会だった。また、初めて聴く曲ばかりというのも愉しかった。
吹奏楽ファンにとってアーノルドは、映画音楽による組曲「第六の幸福をもたらす宿」でお馴染みだろう。サン=サーンス以外は全て20世紀に作曲されているが、小難しい曲は一つもなかった。
僕が特に気に入ったのはフランス・ボルドー生まれの現役の作曲家ジャン=ミシェル・ダマーズ(1928- )。優美でとても洒落た音楽で、調べてみるとこの人は懐旧的な作風のためブレーズやメシアンなど前衛的音楽が主流だった20世紀フランス楽壇では過小評価しかされず、最近になって漸く再評価の気運が高まってきているそうである。
そういう意味では映画音楽に対する偏見から20世紀後半のウィーンで黙殺された、エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトに似た境遇だなと親近感を抱いた。
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