メンデルスゾーン三昧!~広上淳一/大阪シンフォニカー交響楽団
児玉 宏さんの音楽監督就任以来、破竹の勢いで快進撃を続ける大阪シンフォニカー交響楽団の定期演奏会(11/7)に足を運んだ。
オール・メンデルスゾーン・プログラムである。
- 序曲「静かな海と楽しい航海」
- ヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲
- 交響曲第1番
広上淳一さんの指揮は速めのテンポで小気味好く、柔軟性と弾性に富んだ解釈だった。嗚呼、これぞメンデルスゾーン!
記事「広上淳一/大フル いずみホール特別演奏会」にも書いたが、広上さんのハイドンは「何故、ビブラートを掛けて演奏させるのか?」「どうしてバロック・ティンパニを用いないのか?」など疑問だらけで愉しめなかったが、メンデルスゾーンの時代まで下ればこれらの点は気にする必要もなく、心穏やかに耳を傾けることが出来た。交響曲第1番は今年5月にドリアン・ウィルソン/大フィル定期でも聴いたが、広上/大阪シンフォニカーの方が颯爽として生き生きした表現で、断トツに良かった。「素敵な曲だなぁ」と今回、心から想った。
コンチェルトは作曲家14歳の時の珍曲。協奏曲というのは本来、独奏とオーケストラが対等であるべきだが、この曲は独奏が登場するや否やオケが後ろに引っ込み、ヴァイオリン・ソナタのような様相を呈してくるから可笑しかった。つまり、コンチェルトである意味がない。では詰まらなかったか?と問われればそんなことは決してなく、滅多に聴けない曲を体験出来てとても有意義だった。
独奏はヴァイオリンが米元響子さん、ピアノが河村尚子さん。米元さんは神尾真由子さんほど力強くなく、かといって9月シンフォニカーの定期で聴いた山田晃子さんほどエレガントでもなく、余り印象に残らなかった。まあそれだけ、日本は桁外れの才能を持つ女性ヴァイオリニストたちを多数輩出しているということなのだろう。河村さんは的確なタッチで堅固なリズム感もあり、上手い人だなと感心した。
最後に、この演奏会に出演されたFg奏者の方がご自身のブログに大変興味深いことを書かれているのでご紹介しておく。
・ ふーじーの見た空
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