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2008年11月16日 (日)

大分の旅《うすき竹宵》篇

大分の旅、第1日目(11/1)の話をしよう。

初めて臼杵(うすき)という読み方と《うすき竹宵》のことを知ったのは大林宣彦監督の映画「なごり雪」(2002)である。映画が公開された当時、僕は仕事で四国の愛媛県新居浜市に住んでいた。松山全日空ホテルで行われたスクリーンコンサート、映画上映前に大林監督と「なごり雪」を作詞・作曲した伊勢正三さんのトークショーやミニ・ライブもあった。そしてその年の秋、僕は臼杵へと旅立ったのである。ことの顛末は下記記事に書いた。 

今回の旅の契機となったのは昨年公開された大林監督の「22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語」。映画のラストシーンで、まるで奇蹟のように美しい《うすき竹宵》が登場するのだ。それをうっとりと眺めながら「嗚呼、また臼杵に往きたい!」と切実に想ったのである。

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臼杵石仏である。なかなか味のある仏像である。

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この石仏は映画「なごり雪」火祭りの場面でも登場する。



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向かいの広場にはコスモスが咲き乱れていた。

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映画でロケされた小手川商店。「水田酒造」という看板は映画の小道具である。ここでお昼を頂いた。臼杵の郷土料理、黄飯やきらすまめしが美味しい。きらすまめしきらすまめし

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大林監督が買い取った邸宅が改装され「クランク・イン!」という喫茶店としてオープンしている。お店のホームページはこちら。写真右下、竹宵の準備で既に竹ぼんぼりが用意されているのが見える。

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お店の暖簾には監督のサインと共に映画「22才の別れ」にちなんで彼岸花(リコリス)があしらわれている。

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「なごり雪」にも登場する二王座歴史の道。竹ぼんぼりが沢山置かれている。

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映画のヒロイン"雪子"の家。6年間にここを訪ねた時は、映画で使用された発泡スチロールの雪がまだ残っていた。今回も一生懸命地面を探したが、さすがにもう「なごり雪」は見当たらなかった。ここにも竹ぼんぼりが設置され、夜になって人々が口々に「"雪子の家"へ往ってみよう」と言っているのを聞いた。

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日が傾いてきた。上の写真は「なごり雪」の後、大林監督が臼杵で撮ったテレビCMに登場する風景。

臼杵といえば日本酒とふぐの町。夕食は喜楽庵でふぐ料理を頂く。これが絶品!最初に出てきた厚切りのてっさの歯ごたえとボリュームから圧倒された。僕は今まで大阪、下関、そして新居浜などでふぐを食べてきたが、ここの美味さは最高峰である。

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てっちりの後なんとか雑炊までたどり着き、満腹の腹を抱えて夜の町を歩く。いよいよ《うすき竹宵》の始まりである。2万本を超える竹ぼんぼりに市民の手で蝋燭の炎が灯される。

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幽玄の世界をぶらぶら散策しながら八坂神社に向かう。般若姫(はんにゃひめ)行列を見るためである。

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6年前、般若姫に選ばれたのは「なごり雪」の主演女優・須藤温子さんだった。須藤さんは全日本国民的美少女コンテストでグランプリを受賞し芸能界入りした(その年に審査員特別賞を受賞したのが上戸彩)。また、2007年の般若姫は「22才の別れ」のヒロイン鈴木聖奈さんだったそうだ。

今年の般若姫は公募で地元の短大生が選ばれたようである→読売新聞の記事

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後はもう、竹宵の美しい写真を見て下さい。言葉はいらない。

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上の写真は多福寺に上がる階段に設置された竹ぼんぼり。上部に寺門が薄っすら写っている。ここも「なごり雪」のロケ地である。

旅は2日目へと続く。

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