第3回繁昌亭大賞と天神寄席(11/25)
第3回繁昌亭大賞が発表された。
- 大 賞/桂吉弥
- 奨励賞/笑福亭銀瓶
- 爆笑賞/桂文華
- 創作賞/桂三金
- 輝き賞/桂吉坊
この賞は上方落語の定席・繁昌亭を中心に活躍する入門25年以下の落語家(輝き賞は入門10年以下)から選ばれる。上方落語協会に所属しない枝雀一門らは対象外。選考するのは大阪天満宮や天神橋筋商店街など地元関係者らだそうだ。
第2回で吉弥さんは大賞の次点である奨励賞を受賞されているので、今回の連続受賞には驚いた。いや、実力的にはまことに申し分ない。「こいつは過去に受賞しているから、今度は別の人に」という持ち回りでないのが素晴らしい。これなら若手は必死で切磋琢磨するだろう。東京の真打制度は入門してある程度の年数が経てば自動的になれてしまうから詰まらない。
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今回特に嬉しかったのは吉坊さんの輝き賞。9/4の記事「たまvs.吉坊 二人会」で彼を褒めちぎり、「輝き賞を受賞するのも時間の問題だろう」と書いていたからである。これで僕の感想文にも多少は信憑性が出てきただろうか??
それにしても過去3回の繁昌亭大賞で、春團治一門が一人も受賞していないのはちょっと情けない。
さて、11/25の天神寄席(夜席)は東京から金原亭馬生さんを迎え、桂春之輔さんとの二人会だった。ゲストが春之輔さんの師匠である春團治さん。
- 桂 壱之輔/平林
- 金原亭馬治/真田小僧
- 金原亭馬生/安兵衛狐
- 桂 春之輔/立ち切れ線香
- 対談(馬生、春之輔、春團治)
- 桂 春團治/祝のし
- 金原亭馬生/文七元結(人情噺)
「安兵衛狐」は上方落語「天神山」を江戸に移植したもの。東西の違いが分かり、なかなか興味深かった。
対談で面白かったのは、昔大阪の寄席に東京の落語家が登場しても、お客は全然噺を聴こうとせず騒がしかったということ。腹を立てたその噺家は高座を5分くらいで切り上げて、さっさと帰ってしまったとか。
僕も江戸の人情噺は苦手なので、当時の大阪人の気持ちが良く理解出来た。
春團治さんの「祝のし」を聴くのは何と今年4回目!それなのに、何度でも大笑いしてしまうのは磨き上げられた芸の力だろう。
春之輔さんの「立ち切れ」はさすが年輪を重ねたベテランにしか出せない味わいがあり、じっくり聴かせてくれた。
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