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寒い国から来たリス〜大阪フィル定期

ドミトリー・リス/大阪フィルハーモニー交響楽団(コンサートマスター:長原幸太)の定期演奏会を聴いた。

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1960年ソヴィエト生まれのリスは現在ウラル・フィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者。

まずリャードフ/交響詩「ババ・ヤガー」から快刀乱麻のドライブ感、歯切れの良いリズムに魅了された。棒さばきも鮮やかで、腕を大きく振りかぶりアクションが激しい。

そしてショパン・コンクールで優勝したベトナム出身のピアニスト、ダン・タイ・ソンを迎えてのラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲。速めのテンポが聴いていて心地よい。子犬が鍵盤を駆け回るように軽やかなピアノも素晴らしい。

この甘美な第18変奏:アンダンテ・カンタービレは映画「ある日どこかで」(Somewhere in Time )で使用され、とても印象深かった。故・クリストファー・リーブの代表作である。

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ダン・タイ・ソンのアンコールは日本では滅多に演奏されない珍しい曲だった。

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モンポウで想い起こされるのはキネマ旬報ベストワンに輝いた映画「櫻の園」(1990、中原俊 監督)であろう。「ショパンの主題による変奏曲」が大変効果的に使われていた。間もなく同じ監督によるリメイク版が公開されるのだが、さて如何に……。

僕にモンポウというスペインの作曲家の存在を教えてくれたのは記事「ミス・サイゴンの想い出」にも書いた、亡くなった高校時代の親友だった。彼が特に好きだったのがピアノ曲《内密な印象》の第8番〈秘密〉。アリシア・デ・ラローチャが好んでリサイタルのアンコールで演奏する、密やかで、そしてちょっと哀しい小品である。

さて、話を大フィル定期に戻そう。ショスタコーヴィチ/交響曲第8番はある意味、爆演。重厚で息が詰まりそうな第1楽章、凶暴で破壊的な第2、3楽章。そしてたどり着いた先は、一見、田園舞曲風でありながらアイロニカルで虚無的に終結する第5楽章。この戦争交響曲の多面的面白さを十二分に引き出した大フィルの力量を大いに讃えたい。特にヴィオラの深い音色が魅惑的だった。

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