米朝一門の落語会ふたつ
雀さんフェスタ in 精華~いま雀三郎が面白い~ (9/6)
難波の精華小劇場に足を運んだ。
- 桂 雀喜・小佐田定雄/上方落語レクチャー
- 桂 雀三郎/くやみ
- 桂 雀三郎/天王寺詣り
- 林家 染二/貧乏神(小佐田定雄・作)
- 桂 雀三郎/帰り俥(小佐田定雄・作)
まず「上方落語レクチャー」では篠笛(しのぶえ)・三味線・大太鼓・締太鼓・銅鑼(どら)・摺鉦(すりがね)・拍子木などの楽器紹介があった。摺鉦は「する」という言葉が縁起が悪いので「あたりがね」と呼ばれるそうだ。
寄席の一番太鼓は《どんどんどんとこい》、二番太鼓は《おたふくこいこい》という調子で叩かれる。また、前座のお囃子は「石段」という曲に決まっている。これは《一段一段上がっていきますように》という願いが込められているそうだ。
以前、桂 千朝さんの語り口が嫌だという話を書いたが、雀三郎さんも僕は余り好きになれない。師匠の枝雀さんが持つ、軽快なテンポ感が彼には欠けているように想われる。特に俥屋(人力車)はもっと疾走しなくちゃ!
落語作家・小佐田定雄さんの作品は「貧乏神」「月に群雲」「幽霊の辻」「雨乞い源兵衛」など大変面白く後世に残る傑作だと想うが、今回初めて聴いた「帰り俥」ははっきり言って駄作。同じパターンの繰り返しが単調で、先が見えてしまう。
岡町落語ランド (9/14)
阪急宝塚線・岡町駅から徒歩で豊中市立伝統芸能館へ。ここへは一度、九雀さんの会で来たことがある。
- 桂 吉の丞/ちはやふる
- 桂 ちょうば/明石飛脚
- 桂 吉坊/足上り
- 笑福亭由瓶/がまの油
- 桂 吉弥/高津の富
これは元々、故・桂 吉朝さんが仕切っていた会で、現在はその弟子である吉弥さんが世話人をされている。兄弟弟子の吉坊さんはここで初舞台を踏んだそうだ。
NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」で一躍、時の人となった吉弥さんだが、入場券のもぎりや足りなくなった座布団の手配まで自らされていたのには驚いた。
吉弥さんの「高津の富」が絶品だった。売れている人というのは何と言っても華がある。独自の工夫・くすぐりがお見事。彼こそ、いま一番輝いていて、聴いておくべき噺家と言えるだろう。
由瓶さんは2年前にJR大阪駅内、TiS大阪支店で吉弥さんと共に「駅寄席~すてんしょ亭~」に出演されてい た時のことをお話された。仕事帰りにふらりと立ち寄り落語を聴いて欲しいという企画で19:50~20:30という時間帯に2席ずつ、お代はなんとたった 300円!!これは是非聴いてみたかったけれど、今もし続いていても物凄い人で収拾がつかなくなっていただろうなぁ。
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